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大人のための童話

続・金の斧~鉄の心と泉の女神~

作者: 安野雲
掲載日:2026/01/21

本作は、有名な寓話「金の斧」を読んだときに感じた、

「正直って、そんなに単純なものだろうか?」という疑問から生まれました。


正直に答えることと、期待通りに答えることは、必ずしも同じではありません。

また、善意で与えられる“ご褒美”が、必ずしも相手を幸せにするとも限りません。


この物語では、教訓を語るつもりはありません。

むしろ、教訓を求めてしまう私たち自身を、

泉の水面に映して眺めているような気持ちで書いています。


気楽に、時々立ち止まりながら読んでいただければ幸いです。

正直者の木こりは言いました。私が落としたのは金の斧です。

あなたにもらった金の斧です。

女神は言いました。あなたは正直者です。なにか期待してるのかもしれませんが、もう私は何もしません。

木こりは言いました。いえ、私の望みは叶いました。再びあなたに会えました。

翌日、木こりは銀の斧を泉に投げ入れました。 

もう何も起こりません。

木こりは満足そうに微笑むのです。

私に不要なものはお返しします。願わくば本当に必要な人が斧を手にすることを


澄んだ泉は夕日に照らされ、ほのかに紅みを帯びていく。







【蛇足】

女神は湖の底。

もう、どんな顔してあなたの前に立てばいいのよ…あ、行ってしまう…


泉は、ますます紅みを帯びていく。



奴はとんでもないものを落として行きました。

警部「貴方の心です」



【続・続・それから】

あれ以来、泉に色々落として行く人が増えたような気がする。もう、何が正解か、分からないよ。


【勇者】

あなたが落としたのはこの「どうのつるき」ですか?


勇者「はがねのつるぎだよ」


正直者のには、このどうのつるきを与えましょう。

(勇者は弱くなった。)


【アスリート】

あなたが落としたの、この銀メダルですか、それとも金メダルですか。


選手「銅メダルです」


正直者の貴方には、この金メダルと銀メダルを…


選手「自分で、取りに行きます」


【おむころ】

あなたが落としたのこの銀のしらすとわかめのおむすびですか?

それとも金のチャーハンおむすびですか?


おじいさん「隣のばあさんが握った人妻おむすびじゃ。このあと、ネズミのところで宴会になるところじゃが、お前さんは誰?」



【正直者の木こり】

あなたが落としたのは、この鉄の斧ですね。

木こり「はい」


…あなたは正直物ですね。

それではまた。

木こり「ありがとう」


【正解】


あなたが落としたのは、何ですか?

はい、鉄の斧。では、この調書に間違いが無いか確認して、サインか捺印を、お願いします。


【ヤンデレ】

エヘヘ。ごめんそれ、結婚誓約書…



【暇つぶし】

貴方が落としたのは、この金の駒ですね。

「いや、飛車だよ。」

では貴方にはこの金の駒を差し上げます。

「頭金。詰みだよ。」


【結論】

もう。最初から私の負けね。アナタ。





ここまでお読みいただき、ありがとうございました。


書き進めるうちに、女神はだんだん万能な存在ではなくなり、

泉もまた「試練の場」ではなく、

人が勝手なものを落としていく場所になっていきました。


正直であることは、美徳かもしれません。

けれど、それを評価し、裁き、報酬を与えようとした瞬間に、

何かが歪み始めるのではないか――

そんな感覚が、最後の「結論」に繋がっています。


この作品に明確な答えはありません。

もし読後に「自分なら何を落とすだろう」と少しでも考えていただけたなら、

それが、この物語にとっての一番の“ご褒美”です。

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― 新着の感想 ―
面白いですね! 好きです。そうゆう発想。 高校受験や就職活動の面接を考えている気分でした笑 あなたの長所は?短所は? 短所は長所に繋がるように書くこと、、、。 は? 正直にも馬鹿正直って言葉(皮肉?…
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