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 あれは・・・酷く蒸し暑い夏だった。

 開け放たれた玄関の扉。まばらに散らばる赤い靴跡。嫌に耳に響く風鈴の音。風に乗って届いた生臭い刺激臭・・・

 部屋の中は地獄の有り様だった。仰向けに倒れた肉体。裂かれた腹。血溜まりと白濁。床に打ち捨てられた愛。青褪めた、まだ眠っているかの様な・・・・・・君の顔。

 あぁ、あの日私は人捨てたのだ。人としての私などは呆気なく崩れ去った。この薄い皮膚の下には無限地獄から這い登ってきた怒りの焔が蠢いているのだ。

 そう・・・獄卒だ。私は地獄の亡者に罰を与える鬼に、獄卒に成り果てた。決して逃しはしない。罪人よ、お前を必ずや地獄に叩き落としてやろうではないか。

 鬼は一匹、行き場の無い怒りに血が流れる事を厭わずに拳をきつく握り締め続けた。

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