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伯爵令息転生女子  作者: くるみ
番外編
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アランの動揺

アランの視点からの、ちょっと前からの話です。

ダンスパーティの夜からの話です。


私の弟、コリンの様子がおかしくなってからそろそろ1年ほど経っただろうか。



私とコリンは、年末の学園のダンスパーティーに参加した。

コリンはその夜、レベッカ嬢とずっと一緒にいたのを見かけたのを最後に、

寮からいなくなってしまった。

次の日に私宛ての手紙が届いた。


『自分は事情があり寮の部屋を離れていて、

冬期休暇も伯爵家別邸には帰りません。

でも無事でいますので安心してください』


そういう内容だった。

コリンの筆跡だった。


最後にレベッカ嬢と一緒だったので、

ああ、もしかしたらそういう関係になってしまったのか…

とも思えたが。


クラスメイトなどにそれとなく聞いてみると、

レベッカ嬢は実家に戻らずに寮にいるらしい。

彼女とは関係なかったのだろうか。


私は冬期休暇は1人で伯爵邸別邸に戻った。


クロウから、コリンは戻らないのかと聞かれたが、

用事があるから寮で過ごすと伝えておいた。


新学期に入る直前、王女様から連絡があり、

コリンは用事で外国に行っていると聞かされた。

家族から学園に、欠席の連絡をしておいて欲しいと頼まれた。


どことなく違和感があったが、王女の言うことを信用しない訳にもいかない。

不安はあったが、コリンの帰りを待つことにした。


コリンがいなくなってから1ヶ月ほど経った頃、

私が別邸に戻っている夜更け、

外から、剣で打ち合う音が聞こえてきた。

そっと外を見てみると、剣を交えていたのはクロウとコリンだった。

コリンが戻ってきたのか?


だが、コリンにしては様子がおかしいなと思った。

クロウと対等に打ち合うほど強くなっている。

遠目に見ただけなので、どこが変なのか正確にはわからなかった。


翌日、屋敷の使用人に

客室に若い女性が泊まっていたことや、

コリンの瞳が黒かったという話を聞いた。

何が起こっているのか、混乱した。


少なからずレベッカ嬢が関わっているのかもしれない。


だが、フォレスト家の立場上、今のところ何もいえない。

レベッカ嬢の実家エヴァンス家には事業で便宜を図ってもらっているのだから。

彼女の背後にいる、王家も敵に回したくはない。


数日様子を見るうちに、コリンの婚約を正式に進めることが決まった。

父上も了承済みだ。


やはり、コリンとレベッカ嬢、2人の間に何かあったのだろう。

女子寮の裏での出来事の噂も広まっている。


コリン本人は驚いた様子で戸惑っているが。

でも、この婚約を進めないわけにはいかない。

断れば家の存続に関わる事態になるだろう。



次の週の休日。

王女から呼び出しがあった。

学園のサロンに呼び出された。

王女と、メガネをかけたレベッカ嬢が待っていた。


そこで、私はようやく、コリンとレベッカ嬢の秘密を聞かされることになった。


短時間では飲み込めなさそうだが、

今までの一連の違和感に決着がつく内容だとは思った。

腑に落ちたとでも言おうか。


コリンが前世の記憶を思い出して、女性っぽくなってしまったこと。

王女とは前世で姉妹だったこと。

そのため、王女とは恋愛関係にはならなかったこと。

似たような境遇のレベッカ嬢となら悩みを分かち合えて、

レベッカ嬢の術で身体を入れ替える事ができるということ。


目の前のレベッカ嬢がコリンだと言われても、ピンとこなかったが。

コリンしか知らないことをいくつか話して証明してくれたので、信じるしかあるまい。


メガネを取ったレベッカ嬢の瞳は、コリンと全く同じ色をしていた。

そして、以前会ったレベッカ嬢とは雰囲気も違っていた。


この前別邸で、クロウと剣を交えていたのはレベッカ嬢だったのだろうか。

だとすると、客室に泊まっていた方がコリンだったのか?



以前、弟がお見合いに行った時、レベッカ嬢が、

コリンの悩みを解決できると言っていた。

こういった方法だとは夢にも思わなかったが。

コリンが幸せになるのなら、これはこれでいいのだろう。

本人たちが納得して幸せになってくれるのであれば。


もう少し見守っていこう。

兄として協力できることはしていこうと思った。


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