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伯爵令息転生女子  作者: くるみ
第1章
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4 王都での散策

私が前世を思い出した次の日からも、王都郊外の伯爵邸にて、まだ数日滞在する予定だった。

今世の兄は将来伯爵家を継ぐ身であり、社交的な性格もあり、予定がいろいろあった。

領地には一緒に帰ることにしていたので、私も王都生活を満喫することにする。


魔法学園を訪れた次の日、信じられないことに、王女から、兄の友人を介してお茶会のお誘いがあった。

弟さんも一緒に是非ということであった。

でも断った。

兄のみ参加することにして、私は体調不良という事で欠席した。

どんな意図かもわからないし、前世の姉なんじゃないかなーって思うと、どういう顔をして何を喋っていいのかわからなかったから。

危険は避ける主義なんだ。

そして実際頭をしこたま打って、怪我をしたのは事実である。


その間に、無理のない範囲でいつもの剣の稽古、魔法の自主練習、魔法書を読み漁ったりする日々だったんだけど、

何せ前世の女子の記憶が入ったことによって、クロウといるのが気まずいなと思い始める。

近くにいると落ち着かない。

本来男性は苦手だ。

今は自分も男性なのに。


クロウの方はというと、表面上、業務上何も言わないけど、何かに気づいた雰囲気を出してくる。

無駄に色気を感じるし。なんとかして欲しい。

遠くで見てるだけならいいんだ。

でも接触が多すぎて意識しすぎてしまう。

着替えも手伝おうとしてくるし。

嫌だ…裸見られたくないし。男性同士とはいえさ…。


大体、男性の身体、気持ちが女では、将来が見えない。

私の気持ちが女性である限り結婚は誰とも無理だ。

相手に女性を選ぶのは違うと思うし。

男性を選ぶのはもっと無理だし。


なんでこんな状況になってしまったんだろう。

この記憶が消えることはこの先あったりするのだろうか。



そんなわけで、ある日1人で散歩に行くと言って、郊外の端っこにある森に行ってみることにした。

庶民な服装をして、危険があるといけないから剣だけは持っていった。

あまり歩いたことがない街だ。


試してみたい魔法がいろいろあった。

氷魔法は水魔法から派生していて、屋敷内でやらかすと水浸しになってしまうのだ。

実際ちょこっとやらかした。

後始末が大変だった。

今度は水を集める方法も調べておこう。


空気中の細かい水分を集めることができればいろいろ応用もきく。

繊細な作業かもしれない。イメージでやれるかな?

もしできたとしたら、洗濯物を乾かしたり、髪の毛を乾かしたり、

室内の湿度を調整したりできるかもしれない。快適に過ごせそうだ。

ただこの世界で自分で洗濯をやることはないのだが。

破滅フラグがあって、庶民になることがあれば、その時は活かせそうだな。



魔法の練習は外でやるにしても、王都の屋敷では地方の伯爵領ほど広い庭があるわけではない。

でももっともっと規模が大きい魔法も試してみたい。

大雨を降らせたり、嵐を起こしたり。

水や氷以外の魔法も試してみたい。

そんな気持ちが大きくなっていたのも事実。


道をなんとなく記憶しながら、森の中に進んでいく。

あんまり奥まで行かなければ大丈夫だろう。


さっそく、水や氷の規模が大きいものをいくらか試してみた。

呪文はいろいろあるが、イメージして無詠唱もできるようになった。

前世の小説で読んだのを試してみたらうまくいった。

これってけっこうチートかも。楽しくなりそうだ。


魔力も、限界近くまで使い切ると、増えるような気がする。

だから魔力を毎日たくさん消費するのが目標だ。


森ではたまに出くわす魔物を倒すと強くなる気がする。



私はもともとオタクだったけれど、

ここにはテレビもゲームもネットもない。

つまりこの世界にはオタクのする趣味がないに等しい。

現実でやれる事をやるしかないのだ。


そんな中で、魔法は新しい私の趣味になりそうな予感がする。

剣の訓練も続けよう。


もともとコリン少年の特技は、社交の場に出るよりも魔法や剣の道だろう。

その方面で出世して、王女とお近づきになって、と、思っていたのだし。


中身が女子になっちゃったのは残念だけど、私もできそうな所までは頑張ってみよう。

この状況で、結婚だけは頑張っても無理だろうけど、それ以外は頑張ろう。


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