38出迎え
伯爵領別邸にいるときに、お姉ちゃんの念話装置が鳴った。
「2番?」
いつも1番しか使っていない。
出ようか悩んでいたら切れてしまった。
まぁいいか。間違いかもしれないし。
と、思ったら、また鳴った。
出てみた。
「コリン?私、レベッカ」
「レベッカ?今どこにいるの?
っていうか、何で念話装置にかけれるの?」
「王女様にもらったんだよ。
今帰ってるところだから、心配しないでね」
レベッカは、王都に向かってたドラゴンだけではなく、
もっと北の方で増えすぎたドラゴンも退治しに行っていたそうだ。
だから時間がかかってしまったそう。
念話装置は、届く範囲が限られている。
レベッカが、念話装置の使用できる範囲に入ったからかけてきたということだった。
「明日には学園につくからね」
「うん!」
早く会いたい。
今日中に学園の寮に戻っておこうと思った。
バタバタと荷物をまとめて、学園に向けての馬車に乗った。
そこではたと気がついた。
いやだ、会ってどういう顔をすればいいのかわからない。
レベッカが無事戻ったら、婚約するという約束があったんだった!
会いたいけど、婚約の約束をどう処理したらいいのだろう。
我ながら優柔不断で最悪なのだが、
男の身で、女の子と結婚するということに腹をくくり切れていない。
どう切り抜けたらいいのかと逃げ道を探してしまう。
「なるようにしかならないか」
溜息をついた。
もう、自分の知らないところで、
レベッカによって外堀が埋められつつあることに、私は気がついていなかった。
次の日、いざレベッカに会ってみると、前と何も変わらない態度だった。
ただ、4次元ポケットのような、いっぱい荷物が入るカバンを持ってて、
ドラゴンの牙とかを取り出して見せてくれた。
売ったり、武器に加工したりするんだそうだ。
すでに、いくらか店で売ってきたとも言っていた。
私にはペンダントをくれた。
黒い、ツヤツヤした石がついている。
きれいだな。レベッカの瞳の色みたいだ。
「ありがとう」
ペンダントをつけてくれるというから、ちょっとだけ屈んだ。
ペンダントを付け終わったレベッカが、頰にキスしてきた。
「なっーーー」
「頑張ったんだから、このぐらいのご褒美くれてもいいでしょ?」
ニヤリと笑った。
はぁ、何をしてもかわいい。
どんどん彼のペースにハマってしまっている。
動揺しているのは心が幼い自分だけみたいだった。
3日後に、学園でダンスパーティーが開かれる。
また、レベッカと練習した。
ここ数日の不安が嘘みたいで、とても幸せだった。




