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伯爵令息転生女子  作者: くるみ
第1章
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28風子(エド王子視点)

俺はこの王国の第2王子、エドモント・カーライル。

俺には前世の記憶がある。


今世でのうちの一家、カーライル家は先祖代々、光属性の魔法の能力を受け継いでいる。

俺と妹は、幼い頃から、物や人を鑑定する能力を持っていた。

珍しい能力だというが、光属性の魔法を持つものがレベルを上げていけば、

およそ5人に1人くらいの割合でそのうち取得できるスキルだとも言われているが。

そこまでレベル上げをする人間も最近はいないらしい。

魔物を討伐してレベルを上げるのは危険も伴うからだ。


小さい頃から前世の記憶がある俺は、

ステータスに日本人名が書かれている人間がごくたまにいることに気づいた。

そうして前世のことを語り合いたいために、話しかけるのだが、

ほぼ全滅だった。

名前はあるが、記憶はないらしい。

父上からは、やたら鑑定するなとキツく言われ始めたのもこの頃だ。



こんな感じの世界だが、食べ物はおいしいし、

思っているより生活はしやすい。

前世の記憶を持った人間が、どこかにいて、

生活を便利にしているのだと推測している。



身近な人間を鑑定したら、妹のアイリスにも日本人名が入っていた。

『磯野 涼子』


なんじゃそりゃ、〇〇〇さん一家かよ!

と、何回か思った。


俺の元カノも同じ苗字だったんだ。


「『磯野 風子』って知ってるか?」

と、聞くと、

「私の妹の名前だよ。何で知ってるの?」

という答えが返ってきた。


びっくりだ。

アイリスが、もしかすると俺の元カノの風子の姉かもしれないなんて。

ワクワクした。


数年後、アイリスが魔法学園に入学する直前に、

何やらどこかの貴族令息を強引に入学させようと動いている情報を得た。

俺は噂の出所を突き止めると、

その人物から話を聞き出し、その事に関しての記憶を消した。


出てきた名前から辿っては、順に記憶を消していった。

直接関係ある人間まではそこまでやらなかったが、

知らなくていいやつにまで噂が回りすぎだ。



王族ってのは、自分の性に合わない。

媚びて諂ってくる奴ばっかりだ。

つまらん。


そこに現れたあいつ。

風子。

王族相手にも、特に媚びる様子もない。


残念ながら、生まれ変わったのは男で、

記憶も一部分しか持っていないらしいが。


「王族に媚びないと生き残れないぞ」

と言ってみたら


「わかりました」

と返してきたんだ。


でも、絶対コイツ媚びるつもりないだろ、と思った。

そういう返事の仕方だった。


たまにはああいう奴も側にいてほしいと思う。


これから面白くなりそうな予感がした。

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