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伯爵令息転生女子  作者: くるみ
第4章
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27 地竜3

私と地竜とが戦う頭上に、翼竜に乗ったヒナタが現れた。


その翼竜にはクロウも乗っていたのだ。


それに気づいた頃、再び翼竜の飛び方が安定的なものに変わった。



またヒナタから念話があった。


『ごめんね風子。話はついたから。

なるべく安全な場所にいて』


「うん……わかった」



後で聞いたところによると、

翼竜を初めに隷属させて制御していたのはクロウだったらしい。

でも、クロウが地竜の攻撃を担当したいと言いだして揉めたようだ。




私は地竜から距離を取って、結界を張った。

さっきは結界がうまく張れなかったけれど、

ヒナタがいてくれると思うと安心感があり、いつものような結界が張れたと思う。

地竜のほうは相変わらず、空を飛ぶ翼竜に気を取られていた。


ヒナタは再び、いくつか魔法を発動させている。


大剣に効果を付与させ、

地竜には防御が低下する魔法をいくつもかけているようだ。




『風子。3つ数えたら目をつぶって。

3……2……1……』


合図と共に、光属性の魔法の中のひとつである光の魔法によって、眩しい光で辺り一面が包まれた。目を閉じても感じる強い光。


この場合の光の魔法は、本当にただ光るだけだけれど、

目くらましという意味で使用される魔法でもある。

他に害はないけど、ただただめちゃくちゃ眩しいのだ。





次の瞬間に目を開けると、ヒナタが地竜に向けて大剣を振り下ろした後だった。

ヒナタは目を閉じていた。

光の魔法を発動させた本人も眩しいものなんだろう。

地竜の弱点である眩しい光を当てることで地竜の動きを封じたのだ。


後で聞いたら、

この世界の地竜は普段は地中にいるので、光が苦手なのだそう。

空を飛んでいる黒い瞳の翼竜の方は、光が苦手ではない。

瞳の色によって、なんとなく推測できるそうだ。



私は彼が地竜に剣を振り下ろす瞬間は見逃したけれど。

地竜に致命傷を与えたのだということは理解できた。

次の瞬間に地竜がゆっくりと地面に倒れた。



ドラゴンを倒すことができる人。


実際に見ると、すごいと感じた。

すごい…すごい……単純なこんな言葉しか浮かんでこなかった。


彼はレベッカとして過ごしてた時からこんな風に戦っていたんだろうな。


なに?…この心臓を射抜かれたような感覚……。

めちゃくちゃかっこいい……。



私はぼんやりと立ち尽くしていた。


ヒナタが用心深く地竜のことを観察する。

倒された直後の魔物は最後に反撃してくることもあり、慎重になるようだ。



確認も取れて、ヒナタがこちらにやってくる。

私は結界を解除した。


ぐんぐん近づいてきたと思ったら、抱きしめられた。

心臓が跳ねる。

気がつけば、長身のコリンの身体にすっぽりと包まれていた。


「無事で良かった」


「うん」


しばらく…何十秒くらい、そのままいただろうか。


ヒナタの服は魔物の血液などで汚れているのかと思いきや、

ここまでくる間に浄化してあったのか、

いつもの彼そのものだった。



「……あの、ヒナタ?」


まだ離れないのかなと思い始めた時だった。

不意に頰に温かい感触が触れた。

それが唇だと気づいた私は慌てた。


「ひ…ヒナタ?」


「なに?」


「なっ、なんで?」


「だって、風子が俺のあげた指輪を薬指にしてるから。

だからその……」


「あっ!」


言われてみれば、ヒナタから貰った指輪は左手の薬指にはまっている。

無意識だったんだ。


「あの、これは無意識で」

顔に熱が集まってくるような感じの中で答えると、


「無意識で左手の薬指にはめるんだ。へえ?」

そうヒナタが嬉しそうにクスクスと笑いながら言った。




いろいろあって必死だった。


ヒナタがドラゴンを追って行ってしまってから、

地竜に襲われて、エド王子に助けられて。

即死回避ペンダントを彼の首にかけて、自分は同じ効果のあるこの指輪をはめた。



「エドさま…」


私はヒナタに事情を話し、2人でエド王子のいる結界へと向かった。


エド王子は、私が結界を離れた時のままだった。

結界の中で、風魔法をかけたローブに包まれて地面から少し浮いていた。


声をかけたり、ヒナタが治癒魔法を試したりしたけれど、

結局その場では彼が意識を取り戻すことはなかったのだった。

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