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伯爵令息転生女子  作者: くるみ
第4章
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26 地竜2

ヒナタが翼竜に乗って現れた。

先生のドラゴンに続いて飛び去っていったあのドラゴンに似ていた。

たぶんそうなのだろう。

でも、その竜に乗って現れるなんて意外だった。


ヒナタから避難するようにと言われたので、

私は地竜から距離を取ろうと歩き始めた。


ヒナタはいくつも魔法を発動させている。

武器にも、地竜にも、複雑な魔法をかけているのが見て取れる。


翼竜は落ち着いて安定した動きを見せている。

同じ高度を先ほどから、正確な動きでクルクルと飛んでいた。


地竜も翼竜に対してそれなりに攻撃を仕掛けようとしていたけれど、

それを避ける動作すらも無駄がない。

……それに、翼竜に乗っているのはヒナタだけじゃないようだ。


『……風子、ちょっと待ってて…』


ヒナタの念話が途切れた。



途端に、翼竜の動きが変わる。

変則的に、自由に飛び回り始めた。

活き活きとしているというか。


えっ。何あれ……。


ポカンとして眺めていると、私のいる方に目掛けて飛んでくる。



「風子避けて!」



叫び声が聞こえて、私は咄嗟にドラゴンを避ける。



「何だったの?」


呆然としていると、翼竜はまたクルッと方向転換してこっちに向かってくる。


「ええっ?」


また私の方にグングンと近づいてきたので避けた。

地竜に続いて翼竜にまで攻撃されるとは。

ヒナタが来てくれて助かったと思ってた。

でも、殺されかけた。


ヒナタがやらせている?

ううん、そんなはずないよね。



翼竜は私だけじゃなくて、地竜に対しても同じような動きをしている。

攻撃…ではなくて、威嚇?

……というか、あの動きは何となく見たことがある。



……犬がじゃれている…みたいな。

そういう雰囲気の動きだ。


思い出してみれば、さっきから本気で攻撃してきてはいなかったと思う。

十分に避けられる範囲だった。


それから数回、また私に向かって掠めるように飛んだのだった。


「一体なんなの?」


犬が喜んでヒャッホーと駆け回るような。

ドラゴンでそれを再現したような光景なのだった。


でも、ドラゴンにじゃれ付かれるこちらの身にもなってほしい。

私は風圧で何回か転んでしまった。

甘嚙みとかはやめてほしいな。

想像すると怖いよね。いやいやいや……。

カプっとドラゴンに咥えられた自分を想像して、ゾッとして、

ふるふると首を振ってしまった。



そして飛び回っているドラゴンを何回も見るうちに気がついた。

ヒナタと一緒に翼竜の背に乗っているのは…クロウだ。




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