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伯爵令息転生女子  作者: くるみ
第1章
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15 姉との密会

授業が始まり、何日目かの放課後。

せっかく学園に入ったので、魔法専用の修練場で何か特訓をしてみたいと思った。

教室から廊下に出て「修練場は勝手に使っていいのだろうか?」そんなことを考えていた時だった。


ーーーーーゾクッとした。

悪寒というか、寒気というか。鳥肌が立ってしまった。

風邪ひいたかも。

やっぱり帰ろうかな。



しばらく歩くと、お姉ちゃんが現れた。

これから図書館で待ち合わせようとだけ言われて、すぐ離れた。

お姉ちゃんは王女だから、私と噂になってはいけないのだ。

人目についちゃいけない。



人気のない、広い図書館の一角で、距離をとって座った。

そして防音の結界を張り、本を読んでいるように見せかけながら話すことになった。

誰かがやってきても誤魔化しがきくだろうと思ったのだ。


こないだの兄様みたいに記憶を処理するなどやってもいいのだろうけど、

やっぱり、やらないならやらない方がいいようだ。


「お姉ちゃん、聞きたい事があるの」

「私も言いたいことがある。

でも先に風子から聞かせて?」


「第2王子のエドモント様ってどういう人なの?」

「あー…エドお兄様は…お兄様も、前世が日本人だったというのは知ってる」


「私、この前話しかけられたの」

「それで?」


「前世知り合いみたいだったけど、誰だかわからなかった。思い出せない。

入学式の日に追いかけてきて。私、数回鑑定されたよ」


「それは…やりかねないわね。

あれだけ、やたら鑑定するなと言われてるのに。エドお兄様ってば」

お姉ちゃんから見ても、やりそうな人なのか。


「あの人は、自分の手の内を明かさないところがあって。

セコいところがあるのよね。

人をおちょくって遊んでるというかね。いじって楽しむ、みたいなね」

ため息をついた。


「昔は、小さい時はね。お互いを鑑定してステータスを見せ合ったりしてた。

だけど自分よりも数段レベルが高い人を鑑定はできないものだし、

レベルが一定よりも高くなった段階で、

同レベルの相手に鑑定させないように妨害することもできるようになる。

つまり、相手よりも極端に弱いと鑑定され放題ね。

最近はお互い鑑定妨害し合ってるところよ。

お互い様ってやつよね」


お姉ちゃんがちょっとだけ黒い笑みを浮かべた。

うーん、つまり2人はある程度強くて、同じぐらいのレベルなのだろうか?


「ああ、でも安心して。エドお兄様、根はそんなに悪い人じゃないから」

人をおちょくるのに悪い人ではないのか。

よくわからないな。



「第2王子の前世の名前、知ってる?」

「何だったかな。うろ覚えなのよね。

鈴木、なんとか…だったと思う。名前は覚えていない」


「鈴木さんか、よくある苗字だね」

「名前、メモっとけば良かったわ。こういう感じの関わりになると思ってなくて。

役に立てなくてごめんね」


お姉ちゃんと第2王子は、前世の記憶を頼りに、アイデアを出し合い、

生活に役立ちそうなものを再現しているらしい。

調味料だったり、料理だったり、生活用品だったり。

仲は悪くないそうだ。


「2人とも小さい頃から前世の記憶持ちってことだよね」

「そうだね、気づいたら前世の記憶があったんだよね。

エドお兄様もたぶんそうだと思うわ」


前世の記憶がいつ戻ったかは、個人差があるようだ。

私は2ヶ月ぐらい前だったけどね。



「それと、今後の連絡のためにこれを用意したんだ」

お姉ちゃんはカバンから四角い綺麗なガラス板のようなものを取り出した。

1・2・3と、3つの番号が書かれたボタンが付いている。


「携帯電話型の念話装置。

ほら、異世界転生小説でよくあったじゃん、念話。

風子が念話使えるかわからないから作ってみた。

これで誰にも見られず離れてても会話できる。

1を押したら私にかかるから。電話と同じ」


携帯電話とは違って、ボタンが3つしかない。

なんかこういう形の電話、昔、前世で見たことあるなぁ。

子供向けのだっけ。

ボタンを1つ押すだけで繋がるのは簡単でいいね。



「すごいね、お姉ちゃん万能だ」

念話装置を受け取った。

2番と3番は、今後必要になったときのための予備だそうな。

使う時あるのだろうか。


「使う時は一応防音の結界張って使って。それでも通じるはずだから」

「わかった」


「あと、これからはできるだけこっちの名前で呼び合うようにしようか。

さすがに、前世の名前で呼び合ってるの見られたら良くないと思うんだ。

咄嗟の時に口に出そうじゃない?だからコリンって呼んでいい?」

「アイリス様って呼べばいいのかな」

お姉ちゃんって呼べないの、寂しいな。しょうがないか。


「うーん、いまいち堅いよね。

《アイリス》か《王女》で呼ぶことを意識してみて」

「わかりました、王女」


「それでね……コリン、

もう1つ気になってる事がある。

今年の学園の入学者の中に、

コリンのように直前に入学することになった令嬢がいるらしいの。

知ってるかな。

コリンと同じクラスのレベッカ・エヴァンス侯爵令嬢」

何か良くない予感がした。


「黒い瞳の美少女だって話だけど、

黒い瞳を持つ人は、闇の魔法を使うという話があるんだよね。

私も黒い瞳の人に会ったことは少ないし、

実際に闇の魔法を使う所を見たことはない。

黒い瞳の人は忌み嫌われる事が多いらしくて、あまり社交界にも出て来ない。

瞳の色は魔法で変える事ができないので変装もできない。

社交界以外の生き方を選ぶ人も多いと聞くわ」


「そういえば休み時間に彼女を見に来てる人たちがいたかな。

名前を確認したわけではないけど、黒い瞳で美少女だった。

年齢もわかるの?」


「コリンと同じで13歳らしいわ。

侯爵家のご令嬢だから身元はしっかりしてるけど、

一応気をつけておいてね」


黒い瞳の人。クロウみたいな感じなのではないだろうか。

忌み嫌われるものなのか。

今まで知らずに生きてきたけど。

黒髪で黒い瞳。すごく綺麗だと思うけどな。(美形だし)


そういえば、黒髪の人って普段見かけない。

クロウも、外出時は別の髪色のウイッグをつけて出かけてることが多い。

茶色や赤など、数色持ってるみたいなんだよね。

出かけること自体が少ないから、ウイッグの出番も少ないけれど。

どの色も似合うんだよなー。



両親からも、兄様からも、

黒い瞳がどういうものか、そういう話題は出た事がなかったな。

地方在住だし、王都ほど偏見も少ないのかもしれない。

そしてたぶん、見た目よりも能力を高く評価しているんだろう。


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