SKYED7 下 語句紹介
【真名の誓約】
名前に架せられる強力な呪い。魔法ではないので使おうと思えば誰でも使える。禁術の一つ。使用者の意思を代々に引き継ぐ効果を持つ。使用者の思想が意識に流れ込み対象は無意識のうちに従ってしまう。抗おうと思えば抗えるが自身の心が分裂するため精神的苦痛を伴う。楽になるには呪いの目的を完遂するか、次代に託すか、死んで連鎖を断ち切るしかしかない。
だがブロキス家の初代は、何としても生き延びて復讐を果たすことと自身が果たせないとあらばすぐに子を設けることも呪いに組み込んだため代々は自分の中の何者かが自分の生死を握っていることに恐れながら呪いを受け継いでいった。別名、真名の呪い。
【セイドラント王家の真名と(愛称)】
9代目ドブニエ(ドビー)、10代目ダルタニエ(ダルトン)、11代目ザニエ(ゼナ)
数世代前からブロキス家では愛称が用いられるようになっていた。真名の呪いから解放された親が、呪いを受け継がせてしまった子にせめて呪いが発動しないようにと真名で呼ぶことを禁じて愛称で呼ぶようにしたという小さな抵抗である。
結局真名はいずれ本人の耳に入り呪いが発動する。
ちなみに呪いが消えたあとも、その時の記憶は残り続けるわけなので無意識のうちに真名を呼んでしまったり、一族の悲願を子に言い聞かせてしまったりする。
10代目ダルタニエは呪いで心を病んでしまい、救いを求めてラーヴァリエの教義に手を出してしまった。
【使徒の外見の違い】
アスカリヒトが蛇神となった際に切り離した四肢は特別な力を宿すに至った。その力を人間に与えることで分身が作り出せるという力である。その分身は使徒と呼ばれ、アスカリヒトの復活を助ける存在となる。
誕生する使徒は外見が全く同じものと、個別の個性を持ったものに大別できる。
外見が全く同じ使徒はまるで蛇人間であり、手足が付いているので擬人化したとかげと言ったほうが近い。この使徒は使徒の器(欠損した四肢)に空きがある場合にアスカリヒトの穢れた炎を受けると自然に誕生してしまうことが多い。人間を超越した身体能力を持つが自我も意志もなく命じられた所作をこなすだけという特徴がある。
一方で個別の個性を持った使徒の外見的特徴は多岐に渡る。この型の使徒は自らの意思で分身化を受け入れた者がなる。使徒となった後も自我を持ち、人間の姿に戻ることも可能。
だがどちらの使徒も、使徒となる前に蛇神の穢れた炎に焼かれていることには変わりはない。生まれ変わったと言えば聞こえは良いが、裏を返せば元の肉体は焼け死んでいるということである。
アスカリヒトが使徒の力を回収したり、鞘の巫女の反魔法を受けると約束されていた死が訪れる。遺骸が残らず、魔力の遺留は気脈の一部になることも出来ない。