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虚空史記2 登場人物紹介

※特別別な注釈がない限り名称は真名(まな)ではなく仮名(けみょう)である。


※当舞台の時代は言語の変遷の只中にあり、名付けにもいくつかの定型がある。

 定型とは、一、文字を持たないイン(陰)族の言語由来の名。二、口語に輝大君(かぐのおおきみ)が持ち込んだ外来の表意文字を充てた名。三、読みも表意文字に合わせた名。四、口語と表意文字の読みが混在する名の主に四つとなっている。

 例えば以下に紹介する登場人物である冥之上メイのカミは四、栖鴬スオウは三、要无いるなしは二、プキは一である。

 また二には陰族語話者(古語話者)と新語話者の口語があり、要无いるなしは新語系だが舞内マヌイは陰族語系となっている。

 この定型を理解すると生まれた場所や年代、何を信仰しているかや信仰の度合いなどを量り知ることが出来る。

 なお、鄙人(ひなびと)仮名(けみょう)の決定は安直なものが多く、例えば栖鴬(スオウ)の場合は名付け親が仮名(けみょう)を考えていた時にたまたま(ウグイス)の巣を見かけたことが由来である。仮名は真名(まな)を守るものなので深い意味などなくてよいという考え方である。

 一方で都人(みやこびと)は仮名にも意味を持たせ、聞けば何処の誰であるかが分かるようになっている事が多い。

 意味を持たせると言えば陰族の名づけは顕著であり、プキの由来は植物の(フキ)である。蕗は人の悪い心や病気を吸着してくれる神聖な植物(灰汁が酸化して黒くなる化学反応)であり、転じてよく人名に用いられる。

 



【冥之上】

 メイのカミ。土の精隷。銀色の長髪に鼻筋の通った端正な顔立ちの美丈夫。闇女神の命を受け珠の巫女から七つの勾玉を回収するために旅に出る。通常の土の精隷は言葉を解さないため特異な存在と言える。だが感情に乏しく人心への理解がないため問題を起こすこともしばしばある。



【闇女上】

 くらめのカミ。かつて葦原国(あしはらくに)を治めていた女神。昊之上(コウのカミ)を産んだことで死してしまうが死後は新珠(あらたま)の泉と呼ばれる気穴の最深部で思念だけの存在となり国を見守っている。封印したはずの昊之上が復活を果たさんとしている兆しを感じ冥之上に阻止を託す。



【昊之上】

 コウのカミ。死を司る精隷。太古の昔に封印されたが再び現世に目覚めようとしている。



【導祖】

 ドウソ。気脈の道を行き来して魂を新珠(あらたま)の泉に導く精霊。提灯を持った美しい女性の姿をしており、生前の闇女上を見本としている。無数に生み出した影響か一人ひとりには意志がない。



【栖鴬】

 スオウ。風吹く鄙の若者。襟髪(えりがみ)だけ長く伸ばし束ねた黒色の短髪に精悍な顔立ちをした青年。冥之上を見つけ、以後行動を共にするようになる。



【要无】

 いるなし。栖鴬の妹。枕元に導祖が立った夢を見たことで珠の巫女になったことを知り供犠(くぎ)となった。



【吾日子】

 アビコ。真名(まな)、仮名ともに不詳。陰業衆(いんごうしゅう)に属する心根の優しい大男。舞内と共に闇於山(くらおやま)を目指していた折に冥之上と出会う。



【舞内】

 マヌイ。「ま」は「む」に近い発音。起火主吏(ウクピンスリ)(おこびぬしり)。神。外見はどうみても女性だが本人は男だと言い張る。全身が蝋のようなもので薄く包まれており、厚く蝋で覆った四肢での格闘術を得意とする。



【プキ】

 鴉繰人(ウグルピトゥ)(あぐりびと)の少女。珠の巫女。



【赤穂辺大王】

 あこうべのきわか。中津平原(なかつのひらはら)を統べる豪士。



【冬蔦】

 ふゆづた。中津平原の少女。珠の巫女。



【麻綯屢】

 オトウル。北谷原(チャタンバル)の童子。



【オトウルの母】

 真名(まな)、仮名ともに不詳。北谷原の人々からは霧供呂売(ムクロメ)と呼ばれ恐れられている。珠の巫女。



【豊砂禰】

 トヨサネ。潮見津原(しおみつはら)の老人。



【巌比売】

 イワヒメ。イワ。真名、仮名ともに不詳。赤ん坊。



【磐裸須人】

 バラスト。(かみ)。豊砂禰の娘と恋仲となり上である事を隠して人間(じんかん)に溶け込んでいた。



【朧】

 土の精隷。朧なる者、とバラストが言っていたため本来土の精隷に固有の名はないが仮に呼ばれる。イワヒメを執拗に狙う。



【謎の男】

 どこからともなく現れ土面はにもと呼ばれる装飾品を渡してくる謎の男。その目的を伺い知ることは出来ない。



【カムントゥネリ】

 陰族の宗教的職能者(カムントゥネリ)。冥之上に闇女上の遺髪を託す。

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