広江礼威 漫画『BLACK LAGOON』
はい、今回は裏社会漫画の代表作? ともいえる悪の教典。BLACK LAGOONを紹介しましょう。
いやー、来ましたよ。ブラックラグーン。面白い、というよりかは、とにかくカッコいい! まるでハリウッドの映画。漫画の絵もリアルタッチに近くて、とても迫力があり、綺麗。
だけど、新刊がなかなかでない。まあ、あれだけ描こうと思ったら、大変なのはわかります。すっごく、わかります。とにかく読者にできることは、作者様が体を壊さないように願いながら、何年だろうと待つだけなのです。
この作品はストーリーなど、別にあってもなくても構わないってレベル。ハリウッド映画のような、ガンアクションとキャラクターたちの掛け合い、そして、社会風刺、そして、そして、中二病全開のセリフ回し。痺れます。
ストーリーを簡単に紹介すると、岡島 緑郎という、冴えない男は一流企業である旭日重工の資材部東南アジア課に勤務していた。
そして、東南アジアの海賊「ラグーン商会」に遭遇して拉致されてしまうんですね。会社は禄朗の身よりも、会社のことを優先してしまい、禄朗を切り捨てます。身を粉にして会社に尽くしてきた禄朗ですが、切り捨てられるときは切り捨てられます。そして、禄朗は決意します。
会社を捨てて、なんと海賊の仲間になってしまうんですね。そして、禄朗はロックと名乗り、一癖も二癖もあるラグーン商会で悪の道を突き進むことになるのです。
悪の道を突き進むといっても、根っからのお人好しで、日本という平穏な国で育ったロックは、仲間たちの行動や言動に戸惑うことばかり。物語が進んで行く中で、ロックは悪として成長してゆくのですが、言っていることが中二病臭くて聞いている方が恥ずかしくなることしばしば(笑)。
ヒロイン? であるレヴィは二挺拳銃の使い手で、何度もロックの危機を救います。というより、レヴィがロックを危険な眼に遭わせていると言って過言ではない。
その他にもダッチというインテリ黒人であったり、ベニーというメカニックであったりがチームを組み、商会からの依頼を遂行していくというお話です。
まあ、アウトロー漫画ですから、主人公たちが行っていることは、善行ではありません。人でも平気で殺します。情けという感情はまず持ち合わせていませんね。見ている方からしたら、痛快でカッコいいのですよ。神に仕えるシスターたちでさえ、根っからの極道ばかりというね(笑)。
中でも私が好きな話はヘンゼルとグレーテルというキャラが登場する、お話です。ヘンゼルとグレーテルと童話から取った、可愛らしい名前ですが、この作品のヘンゼルとグレーテルは殺人狂なんですよ。
チャイルドポルノに出演させられた挙句に、スナッフフィルムへの加害者としての出演、その後始末の片棒まで担がされて精神が歪み、殺しを「遊び」と称す倫理観のない快楽殺人者となりはて、殺さなければ生き延びられなかった境遇から、「殺した分だけ自分たちの寿命を延ばせる」という思想を持つようになる。
ヘンゼルとグレーテルという名前は、チャイルドポルノ上での名称だそうです。過激な回ばかりの中、このヘンゼルとグレーテル編はとても印象に残っています。
ヘンゼルとグレーテルは悲しい結末を迎えてしまいますが、私が今書いている作品に、とても影響を与えた回なのです。残虐描写が苦手な方はお気を付けください。ハリウッドのガンアクションが大丈夫な方は(たぶん)大丈夫だと思います。ありがとうございました。




