吉田敦彦 『一冊で丸ごとわかるギリシャ神話』
だいわ文庫 【教養・ギリシャ神話】 初版発行: 2013年8月15日 著者:吉田敦彦
今回は教養書『一冊で丸ごとわかるギリシャ神話』を紹介します。最初に言っておきます、これほど分かりやすいギリシャ神話入門書はない! です。
ギリシャ神話を知りたい! という方には本当に読んでもらいたい。
この『一冊で丸ごとわかるギリシャ神話』はだいわ文庫から出ていて、以前やっていた教養文庫フェアで見つけました。自信をもって買ってよかったと言えます
はい! いつもの様に作者の経歴から紹介しましょう、今回もウイキペディアから引用させてもらいます。
【東京生まれ。小学校から大学まで成蹊学園に学び、成蹊大学政治経済学部卒業。東京大学大学院文学部西洋古典専攻修士課程修了後、フランス国立科学研究センター時代に比較神話学の碩学ジョルジュ・デュメジルの指導を受ける。
【民族学者の大林太良がギリシア神話と日本神話との間に見られる類似を、日本の神話の系統論・比較神話学として論じると一貫して支持、日本神話と印欧語族神話を比較する学術論文を、欧米の学術誌などに発表する。著作では『日本神話と印欧神話』で日本神話に見られる三機能体系について論じ、『ヤマトタケルと大国主』において、『記紀』の登場人物と印欧神話の登場人物との比較を行っている。1980年の哲学奨励山崎賞を受賞。ギリシアの神話や文化の研究でも知られ、『ギリシァ文化の深層』で サントリー学芸賞(1984年度)を受賞する一方で、縄文人の宗教や文化に関する著作も目立つ。】
日本屈指の神話の専門家です。神話に関する数々の書籍を出しているので、興味がありましたら調べてみてください。
ギリシャ神話ってストーリーあってない様なものなのですが、この本はストーリー形式で分かりやすく、写真やコミカルな絵を交えて教えてくれるので、面白くて苦にならず読めました。
ゼウスとオリュンポスの神々の始まりやデュポーンとの闘い、ヘラクレスの十二の難行、オイディプスの悲劇、トロイの木馬までを、解説してくれます。
この本さへ読めばギリシャ神話のことをまったく知らなくても、知ることができるでしょう。
ユダヤ教やキリスト教の神と違い、ギリシャ神話の神々は人間の様に個性豊かです。神は自分に似せて人間を作ったと、創世記には書いていますが、エホバやヤハウェイはどんな性格なのか人間に似ているのか窺うことはできません。
しかしこのギリシャ神話の神なら、自分たちに似せて人間を作ったといって納得です。なぜなら人間より、人間らしい欲望に忠実な神々ばかりですから。
ゼウスなんて、沢山の女神や人間の女性に子供を産ませていますからね。その度にゼウスの妻ヘラは怒り新党です。
ゼウスだけじゃなくて、ギリシャ神話の神々は性にだらしない。どういう風に性にだらしないのかはご自身でお確かめ下さい。アフロディーテとかアポロとか色々な神の話が書いていますから。
皆様も知っていると思いますが、ゼウスが人間の女性に産ませた子供はあの有名なヘラクレスやペルセウスです。
ヘラクレスは自分の子供をみんな殺害してしまい、その償いとして十二の難行を成し遂げるのです。ヘラクレスは死後、晴れてオリュンポス十二神の仲間入りをしました。
あの半人半神のヘラクレスはどう死んだのか、意外と知らない方が多いいのではないでしょうか。
この本には十二の難行すべてと、死因までを書いているので、ヘラクレスを知らないという方は読んでみてください。そしてペルセウスの偉業も書かれているので合わせて知ってください。
人間より人間らしい神々の物語とくとご覧あれ!。




