モンゴメリー『赤毛のアン』
新潮社(新潮文庫) 『全12巻』 【日常・ヒューマンドラマ】 著者:ルーシー・モード・モンゴメリー 訳者:村岡花子 漫画化有り 映画化有り アニメ化有り
今回はルーシー・モード・モンゴメリ『赤毛のアン』を紹介します。記念すべきアンブックスの一作目ですね。
皆様も世界名作劇場で見たことがあるのではないでしょうか?。世界名作劇場って良いですよねー。小さい頃見た『フランダースの犬』で私は大泣きしました。
ネロとパトラッシュが可哀想で、可哀想で……。財布を盗んでないのに、疑われて、村の人たちから嫌われて、最後はルーベンスの絵の前で天使が迎えに来る。
それで、後から、村の人達がネロとパトラッシュに「悪いことしたー」と後悔するのですよね。
私は言いたい「遅いんだよ!」何から何まで遅い、画家の先生も遅いし、女の子のお父さんも遅い、と……え、この書評は『フランダースの犬』なの?。
……ごめんなさい、熱くなりました、この書評は『赤毛のアン』です。フランダースの犬はこの辺にして、赤毛のアンを書評していきましょう!。
実は『赤毛のアン』全何巻あると思います?。なんと、新潮文庫で全十一巻もあります。皆様知ってましたか? 物凄く長いお話なのですよ。
アニメでは描かれなかれていませんが、アンは教師になって、子供を産んで、家を持って、旦那と子供を戦争で……て、おばあちゃんになって、一人の女性の生涯を書き切っています。
ここまで一人の女性の一生を書き切った作品を私は知りません。大河小説ですね。一応、アンシリーズのタイトルを紹介しておきますね。
その順番が左からこちら↓
『赤毛のアン』『アンの青春』『アンの友達』『アンの愛情』『アンの夢の家』
『虹の谷のアン』『アンの娘リラ』『アンをめぐる人々』『アンの幸福』
『炉辺荘のアン』『アンの思い出の日々上』『アンの思い出の日々下』
以下となります。アンの娘の名前はリラというのですねー。リラは誰の子供だと思います?。そう。子どもの頃にニンジン事件を起こしたあの方の子供なのです。
日常を書くのって案外難しい事なんですよ。私が日常を書こうとしても、なかなか書けない……まあ、人によるのでしょうが私は日常は意外と難しいジャンルだと思います。
そんな、意外に難しいジャンル日常系ですが、これはアンの日常の物語です。
そして心温まる、お話です。日常のちょっとした幸せや、人との愛情、お菓子作り、季節の美しさ、家族の愛など、上げればきりがないほど、このアンシリーズにはたわいない、幸せが詰め込まれているのです!。
よく日常だけで、こんな長いお話がかけましたね。モンゴメリーさんは凄いお方です。
それに、描写が美しい、季節の描写とか感性が良くないと書けませんからね。本当にアンの舞台プリンスエドワード島の美しい、描写が荒みきった心を洗ってくれますよ。
死ぬまでに一度でいいからプリンスエドワード島に行ってみたいなぁー(夢)。
はい、ここでアンとはどういった女の子なのか、簡単に紹介しましょう。名前はアン・シャーリー可愛い名前ですよね。タイトル通り赤毛の女の子、そばかすと赤毛がコンプレックスなのだとか。
そばかすも赤毛も可愛いと思いますけどね、本人にしたらコンプレックスなのでしょう。まあ、誰でもコンプレックスはありますからねー。親しみがあって良い女の子じゃないですか!。
ネタバレになるかもしれませんが、大人になったアンは後の回想で「何で小さい頃は赤毛やそばかすの事であんなに悩んでいたのかしら?」みたいな事をいうのです。
時間が経てば、小さい頃の悩みなど、ちっぽけな事に思えるのでしょうね。深いですねー。時間がすべてを解決してくれるんですよ。
そしてアンを引き取り育ての親となる、マリラとマシューです。このマリラとマシュー、夫婦だと思っていませんか? 実は違うのです、兄妹なんですよ。
知ってましたー? 意外と知らない方が多いかったのではないでしょうか。私も初めは夫婦だと思っていました(笑)。
そんな、マリラとマシューに引き取られますが、マリラは男の子が欲しかったそうです。当時は子供も働き手ですからね、力仕事ができる男の方が重宝されたのでしょう。
マリラは孤児院にアンを返そうとします。それで、アンは大泣き、当然ですよね、家族が見つかったのに「お前は女だ、だから孤児院に返す、私たちは男の子が欲しかったんだ」と言われれば誰だって悲しみますよ。
昔は女である事だけで、差別がありましたからねー。古典を読めばそういった、昔の考え方や思想が良く分かります。
まあ、それから色々あって、マリラとマシューの住むグリーン・ゲイブルスに正式な家族として迎えられるのですけどね。
知っていると思いますが、アンは空想好きの女の子、たまに独り言をつぶやいていることも――。その高い空想力を生かして、アンは小説を書くのです。果たしてアンの書いた小説とは?。
アンはモンゴメリーの自伝的な作品なのかもしれません。
アンは何でも名前を付けるます、家や湖、赤い道、名前を付けるって、メルヘンチックだと思いませんか?。
この作品では色々なものに名前が付いています、湖だったり、道だったり、家だったり、色々。この作品を読めばそりゃー、心が豊かになりますよ。子供だけでなく、大人に読んで欲しい作品です。
いや、大人にこそ読んで欲しい作品です!。今のすさんだ心の大人はアンシリーズを読むべきです!。きっと、豊かな心が持てるようになるはずだから。それではこの辺で、ありがとうございました。




