村上春樹 『東京奇譚集』
新潮社(新潮文庫) 『短編集』 【ファンタジー・ヒューマンドラマ】 初版発行: 2005年9月 著者:村上春樹 映画化有り
はい! 今回は村上春樹入門書にピッタリの『東京奇譚集』を紹介します。
短編集ですので、ハルキストの入門書にピッタリですよー、この作品は。
こんな人にオススメです。
① 村上春樹の作品を読んでみたいけど、いきなり長編は難易度が高い。
② 非日常を味わいたい。
③ 深くはないが、少し考えられる作品を読みたい。
どれかに当てはまる様なら、読んでみてください。短編という、短い話で読者をここまで物語の世界に引き込めるのだから、さすが村上春樹です。これが収録タイトルです。
【偶然の旅人】
【ハナレイ・ベイ】
【どこであれそれが見つかりそうな場所で】
【日々移動する腎臓のかたちをした石】
【品川猿】
の、全五編からなっています。名前の付け方から村上春樹ですねー。五編のどの作品も、言ってしまえば大きな盛り上がりのある展開はありません。
しかし、不思議とどんどん読んでしまう、小説家には物語の構成で人気のある作家と文章表現で人気のある作家がいると思います。
そして、村上春樹はどちらかというと、文章で人気のある作家だと思います。だからノーベル文学賞候補になっているのだと思いますが。
話は変わりますが、私は昔からノーベル文学賞で不思議に思っていることがあるんですよ。ノーベル文学賞はどの言語で審査されているのでしょうか?。
日本からノーベル賞が出た時は日本語で審査されているのでしょうか?。川端康成も日本語の文章で評価されていたのでしょうか?。
それとも、翻訳された作品を審査されているのでしょうか?。もし翻訳された作品を審査しているのであれば、翻訳した人の表現も言葉遣いも多少は入っています。
そうなれば翻訳した人も評価されるべきだ、と私は思うのです。最終的には英語で小説を発表した方が有利にならないか? と私は思うのです。
だから村上春樹さんは英語で作品を発表して、英語版を審査されているのではないか? と、昔から不思議に思っているのですよ。
まあ、色んな言語が分かる人が審査しているとは思うのですが、どういう風に審査してるんでしょうね?。
すいません、無駄話が入って。それでは、この短編集の概要を紹介します。
【2005年9月16日、新潮社より発売された(奥付の発行日は9月18日)[1]。2007年12月1日、新潮社より新潮文庫として文庫化された[2]。単行本の表紙の絵と挿絵は松永かの。文庫本の表紙の絵は榎俊幸。
本作の収録作品は『新潮』掲載直後から『ザ・ニューヨーカー』等の雑誌で英訳され始め、1年強の間に5編すべてが訳されることとなった。それらは現在、2006年7月刊行の短編小説集『Blind Willow, Sleeping Woman』(クノップフ社)で読むことができる。
「週に一本のペースで、一ヵ月のあいだに五本の作品を書き上げた」と村上は述べている[3]。】
と、なっております、これもウイキペディアから引用させてもらいました。
実はこの東京奇譚集に収録されている【ハナレイ・ベイ】は映画化されているのです!。私は見てませんが、これを読んでいる、人の中には見に行かれた方もいるかもしれませんね。
村上春樹さんの書く物語の女性は不思議な方が多いいですよねー。このハナレイ・ベイは息子を失った女性の物語なのですが、本当に不思議な女性が主人公です。
そしてこの、ハナレイ・ベイの女性もこれぞ村上春樹が書いた女性、という女性です。
果たして、息子を失った母は何を求めるのか?。
最後に言っておきます。この短編集は村上春樹の良いところを練って、固めて、濃縮した様な作品です。
二百ページほどで読みやすいですので、読んでみてください、初心者にオススメです。それでは傑作、村上春樹短編集をとくとお楽しみください。




