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物部の書評広場  作者: 物部がたり
ま行————
64/100

湊かなえ 『夜行観覧車』 

 双葉社(双葉文庫) ページ数: 336 【ミステリー・ヒューマンドラマ】 初版発行: 2010年6月6日 著者:湊かなえ ドラマ化有り

 今回は夜行観覧車を紹介したいと思います。このお話もTBS系でドラマ化されています、いやー、本当にこの人の作品は映像化されますねー。


 この夜行観覧車は『小説推理』という雑誌に2009年八月から2010年の三月号まで連載された後、2010六月に双葉社から単行本がでました。2013年の一月に文庫化しました。ちなみに私が持っているのは文庫本の方です。


 皆さんは単行本か文庫本どっちが好きですか? 私は文庫本派です。だって読みやすいじゃないですか。軽いし、持ち運びやすいし、安いし、嵩取らないし、良いことずくめです。


 だけど、文庫本は作者様に入るお金の額が減るのでしょうか?。作者からしたら、単行本を買って欲しいですよね。


 ――では本題に入ります。


 この夜行観覧車の話が一番、私たちの生活に起こりえるお話だと思いました。高級住宅街「ひばりヶ丘」に住む、三組の家族を中心としたお話です。その三組の家族とは遠藤家、高橋家、小島家です。


 私は湊かなえ先生の作品で一番、現実的で怖いと思いますね。何が怖いって人間づきあいがです(ザワザワ)。物語のあらすじは、遠藤家の向かいに暮らす高橋家で殺人事件が起こります。


 そしてあることがきっかけで遠藤家の母親、真弓がコンビニに買い物に行くのです(夜、遅いです)。


 そこで高橋家の次男、慎司に出会います、お金を忘れたので千円を貸してくださいと、頼む慎司に真弓は一万円を貸すことに。

 

 なぜ、千円ではなく一万円なんだと、ツッコミたくなったでしょ! 一万円しか持ってなかったんですよ。「だったら、先に買い物して両替してもらえばいいじゃん」、そう思いますよね!。


 だけど、ある事情があるから、買ってるものを見られたくないから、仕方なく一万を渡したんです。ネタバレになるので書きませんけどね。だけど、女性なら必要なあるものです。


 その頃高橋家では殺人事件が起きていた!。


 慎司はどうしてコンビニにいたのか? もしかしてアリバイ工作だったのでは……そのように悩む真弓、翌日訪ねてくるであろう、警察に当たり障りない回答ができるように一晩中言い訳を考えるのだった。


 と、まあ、こんなお話です。このお話は性格の良い人がほとんど現れない、まあー、これが人間なんでしょうね。性格の良い人間なんていませんよ。私は性悪説派ですからね。まあ、性悪説は上の者に利用されやすい考え方ですがね。


 他人の不幸は蜜の味なんて言葉があるように、他人の不幸は嬉しんですよ。だって、人間だもの! だって人間だものだって人間だもの! どっかで聞いた言葉だけど思い出せません。


 このお話では色んな、家族問題が描かれてます。行きたい高校に落ちて、やけになっている子供。


 子供に期待という名のプレシャーをかける親。


 子供を叱らない、父親。


 勉強についていけない、不安。


 他人とは違うんだという、プライド。


 ご近所関係、などなど。


 本当に今の現代社会を風刺している作品です。この作品は読む人によって意見が分かれる、作品だと思いました。私はまあ、こういう終わり方もありかなー、って感じですね。


 まるでパンドラの箱(壺)の結末です。説明しなくても知っていると思いますが、パンドラの箱(壺)とはギリシャ神話に登場するプロメテウスという神が炎を盗んで人間(この時代は男だけだった)に与えた、ことでゼウス(最高神)の怒りを買い、物づくりの神ヘパイストスに作らせた女性がパンドラです。


 これで女性というものが生まれました。以後男たちは女性を求めるようになります。


 神々はパンドラに色々な物を与えました。その中の一つに決して開けてはいけないという、壺があったのです。これがパンドラの箱(壺)です。


 まるで浦島太郎の玉手箱みたいですねー、昔の人はこの話をモデルにして浦島太郎を作ったのでしょうか。しかし見てはいけないと言われれば見たくなる、開けてはいけと言われれば開けたくなるように、パンドラは箱を開けてしまいます。


 開けてはいけないと言われて開けたくなるのが人情ですよね(笑)。


 すると箱の中から、色んな災いが出てきました。以後の世界(いま私たちが住む世界)に災いが広がったのです。それがパンドラの箱のお話です。


 昔は女性を感情に流されやすい、と言われていましたが偏見も良いところですよねー。どちらかというと男の方が感情に流されやすい生き物だと私は思います。


 ユダヤ教でもエバ(イブ)の話だったり、差別ばっかりですよ、本当に……。


 意外と知られていませんが、箱の中から出てきたものは災いだけではありませんでした。箱の底には希望という名の光も入っていたのです。チャンチャン! めでたしめでたし。


 このパンドラの箱のように最後、小さな希望の光を称えながら物語は終わります。災いの後に希望が出てきたように、この作品も再生の物語です。気になったら読んでみてください。

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