湊かなえ 『告白』
双葉社(双葉文庫) ページ数: 268 【ミステリー・サスペンス】 初版発行: 2008年8月5日 著者:湊かなえ 漫画化有り 映画化有り
今回は湊かなえの告白を紹介したいいと思います。映画にもなっているので知っている人も多いいはずですが、小説を読んだことのある人は少ないのではないでしょうか。
言わずと知れたイヤミス(嫌なミステリー)の女王の作品ですね。第一章「聖職者」が小説推理新人賞を受賞しました。
その他にも2008週刊文春ミステリーベスト10の一位に、このミステリーがすごい第四位にランクイン。そして2009年には本屋大賞を取っている凄い小説です。
面白くない訳ないでしょう!。これが処女作だというのですから、湊かなえさんのプレシャーは半端ないものだったとおもいます。
しかし、そんなプレシャーなど感じさせない、凄いイヤミス作品を沢山世に送り出してきましたね。
湊かなえさんの作品のほとんどが、映画になったり、ドラマなったりしているから、見たことある人もいるのではないですか。
見終わった後の衝撃、後を引く嫌な気分、人間の嫌なところ、女の争い、心の闇などなどドラマや映画より小説の方がずっと強烈ですよ!。
湊かなえさんの何が凄いって、人間の心理描写です!。読んだことがある人なら、共感してくれると思います。まだ読んでいないという方は、ぜひ読んでみてください。
湊かなえさんは広島県の因島市に生ました。現在は兵庫県洲本市に住んでいるそうです。話はそれますが、因島をモデルにした「望郷」という小説で島民たちの心境、心理を知ることができます。
望郷は短編集だから、初めての方はこちらの方がいいかな?。だけど、注意してください、心がやられますから……。閉ざされたところは人間関係が陰湿ですからねー(苦笑)。
話が反れてしまい申し訳ありませんでした、ではネタバレにならない程度に告白の書評をしていきます。
一言でいえば、これは森口先生の復讐譚です! はい。物語は森口先生が牛乳の話をするところから物語は始まります。
そしてその話の最後に衝撃的な告白をするのです! これ以上書いたらネタバレになるから書きませんけどね。
聖職者は衝撃的でした、しかし、衝撃は終わらなかった!。章が進むごとに明かされる、真実、心の闇、これは湊かなえさんにしか書けません。
あまりに衝撃的過ぎて、湊かなえは性格が悪いと広まるぐらいですから、かく言う私も湊先生……どんな性格してるんだ!。もしこんな人が友達にいれば、心の内側まで見透かされそうで怖いです。
恐怖を覚えるほど、文章力、洞察力が凄いということですよ(けなしている訳ではないです)。
湊かなえさんは作中のキャラクターになり切って、書いているのだとある人から聞きました。凄いですよね。キャラクターになり切るって、私はどうしても客観的になってキャラになり切ることができません。あなた様キャラになり切って作品を書いていますか?。
まだ読んでいないのであれば、この衝撃を味わって欲しい、読み終わる頃には他の湊かなえの作品を読みたくなっていることでしょう!。
章が変わるごとに語り部も変わって、また違う視点から事件を語っていく、そういう切り替えが本当に上手い作家です。視点切り替えこそ、湊かなえさんの真骨頂です!。
この告白は最終的に誰が悪いか分からなくなってしまいましたが……。
まー凄かった、そればかりでごめんなさい、だけど、そう言いたくなるほど凄いから読んでみて。




