高田大介 『図書館の魔女』
講談社(講談社文庫) 『全四巻』 【ファンタジー】 初版発行: 2013年8月 著者:高田大介
今回は高田大介さんの『図書館の魔女』を紹介していきます。語学堪能な魔女と謎に満ちた少年の物語。この作品の何が凄いって、世界観かなー?。あ、あと語彙力が付くかもしれません。
中には読みづらい、という方もいるでしょうが、集中して、物語の世界に没頭してしまえば、そんなに読みづらい、と思わないので安心してください。面白くてページをめくる手が止まりませんでした。
緻密に練られて世界観、ストーリー、神話、どれを取っても一級品です!。
そんな凄いストーリーを生み出した作者とは?。それでは高田さんのプロフィールはこちら
【1968年、東京都生まれ。早稲田大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得退学。早稲田大学、東京芸術大学などで講師を務めたのち渡仏、現在はリモージュ大学(英語版)EDSHS EHICに籍を置き博士論文執筆中。
専門分野は印欧語比較文法・対照言語学。2010年、『図書館の魔女』で第45回メフィスト賞を受賞し、デビュー。
メフィスト賞に応募したきっかけとして、「普通じゃない小説大賞」みたいなものを求めていたこと、枚数に上限がないことを挙げている。
影響を受けた作家はカート・ヴォネガット Jr. とトーベ・ヤンソン。また、「こうした小説を書きたいと常々仰ぎ見ている」作家として、ディケンズ、大デュマ、ドストエフスキーを挙げている。
講談社ノベルスで好きな作品は西尾維新の「戯言シリーズ」。】
だ、そうです。そして高田さんは言語学者です、今回紹介する『図書館の魔女』は言語学の知識を前面に押し出した、作品になっています。学者が書いたお話って先入観的に面白いですよねー(笑)。
本屋のポップで大々的に宣伝していたので、手に取りました。最近はポップを見て面白そうだなー、買ってみようかなー、って手に取る方もいるのではないでしょうか。
ネットで何でも買える、今の時代ですから、本屋側も店に来てもらうために色々と工夫していますからねー。本屋に行ったらポップを見るのが楽しんですよねー。
いったい、この店はどんな本をお勧めしているんだろう、って楽しみながら本屋散策をしています!。
文庫本で全四巻です、それがまた分厚いのなんの! 皆様は分厚い本って抵抗感ありますか?。私は「こんなに分厚い! これは壮大な物語が読めるぞー」と、ワクワクします。
長い話が苦手な人でも読む価値はあります。続編に烏の伝言があります、『図書館の魔女』が気に入ったら続編も読んでみてください。
では説明していきましょう。この作品はジャンルとしてはファンタジーです、しかし剣も魔法も幻獣も登場しません。ただ、異世界を舞台にした非日常譚です。
舞台はとてつもなく巨大な図書館?。その図書館にある日、ある事情でキリヒトという少年がやってくるのです。
その図書館には数々の言語を操り、高い塔の魔女と呼ばれている少女マツリカが住んでいます。しかしマツリカは言葉が出ない、つまりしゃべれないのです。頭が良いのに言いたい事が言えないって辛いですよね。自分の思いを他者に伝えられないって凄い辛い事なんですよ(涙)。
だけど、言葉が使えなくても会話はできます!。そう、マツリカは手話で言葉を伝え、コミュニケーションを取るのです。
私には分かります、伝えたいことが伝えられない歯がゆさ、辛さ…………高田さんはそんなマツリカ心理をよく表現できています。マツリカにとって手話とは【声】であり言語です。
そしてキリヒトはたぐいまれなる、才能? によってマツリカと二人だけの言語で会話をするようになります。二人だけしか分からない、合図とかしぐさとか言葉とかまるで恋人みたいですねー。
キリヒトとマツリカのじれったい、恋? にも注目です。そして本を星の数ほど読み大人びているマツリカですが、やっぱり少女なんですねー。一言でかわいい!。
海を怖がるマツリカとかかわいいですよ。そんなかわいい、マツリカを見ることができるでしょう! はい。
キリヒトの秘密とは?。謎の少年キリヒトの正体とは?。
最後に剣も魔法も登場しない物語ですが『ハリーポッター』シリーズ屈指の人気キャラクター、ダンブルドアがいった心に響く名言があります、それは「言葉とは尽きることのない魔法の源じゃ。傷つけることも癒すこともできる。」です。
はい、言葉とは魔法なのです、ダンブルドアがいうように傷つけることも癒すこともできます。
言葉を魔法のように使っているのだから、ファンタジーと言えるのかもしれませんね。え? そうなったら、文字で表現している小説は魔法の書なの?。
……そうです、そうですね……人間言葉という魔法を使っているのですから魔法使いなんですよ「チンカラホイ」っと、ね。
だから皆様も言葉という魔法を使う時は話す相手のことを考えて使いましょうね。だって、人を傷つけることもできるのだから。
何が伝えたいのか分からない書評になってしまいましたが、よくできた作品なので、読んでみてください、では次回。




