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物部の書評広場  作者: 物部がたり
さ行————
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時雨沢恵一『キノの旅』

 電撃文庫 【ファンタジー・純文学・ライトノベル】 初版発行: 2000年7月10日 著者:時雨沢恵一 イラストレーター:黒星紅白 漫画化有り アニメ化有り

 『キノの旅』言わずと知れた、ライトノベルならこれという王道作品。最近またアニメ化したことで、知ったという方もいると思います。


 ライトノベルが好きな人に「オススメのノベルある?」と聞いたら十人に一人ぐらいはこれを薦めるといっても過言ではないと私は思います。なぜなら、ラノベ界のスパースターだからです。


 だけど、この作品ライトノベルだけど、ライトノベルらしくない作品でもあります。読みやすい文体ですが、深い話が多いい。この作品をよく表しているキャッチフレーズが『世界は美しくなんかない、そしてそれ故に美しい』です。


 いやー、深いですよね。美しいだけの世界は美しくない、少し汚いところがあるから世界の美しさが分かる。と、いう事ですよね。考えさせられますねー。



 はじめまして、語り部です。今まで私が読んできた本を皆様と書評という形で、語り合いたくてこれから書いきたいと思いますのでよろしくお願いします。


「え? はじめましてだって? すでにたくさん紹介しているじゃないか」


 はい、そうなんですよ。あかさたな順にそろえているので、バラバラになっているんですよね、だけど、この『キノの旅』が私が最初に紹介した作品になります。語り部の書評広場はここから始まりました。


 なぜ初回の本にキノの旅を選んだからというと、キング・オブ・ライトノベルだから! ではなく私が初めて読んだ、小説だからです。そう、なぜキノの旅を初回に紹介しようかと思ったかというと、初めて読んだ小説だからです。


 私にとってキノの旅とは小説の面白さを教えてくれた作品でもあるんですよ。まあ、それまでにも本は読んでたんですが、小説はキノの旅が初めてでした。


 このエッセイを読んでいる、あなた様もキノの旅を読んだことあるんじゃないですか?。それぐらいメジャーなライトノベルということです。


 作者はしぐさわ時雨沢(しぐさわ)恵一(けいいち)。第六回電撃小説大賞の最終候補に残った、キノの旅が後に電撃文庫から書籍化されました。今現在までで二十一巻発売されています。


 シリーズ合計八百万部以上売れている、ラノベ!。今じゃ、電撃文庫の看板ノベルですね!。


 内容を簡単に書くと、言葉を話せるモトラド(二輪車で空は飛べないもの)と物語の主人公であるキノが、色々な国を旅するお話とか、ある事情で国を逃げた王子が移住できる国を求めて、旅をするお話などなどの短編集です。


 この世界観が癖になるんです。中毒性があるのでご注意ください。


 ライトノベルらしくなく登場人物の感情描写がほとんどなく、淡々と語られます。それがまた、この物語にあっていて、これでこそキノの旅。何といってもキノの旅の魅力は個性豊かな国を旅することでしょう!。


 良い国ばかりではなく、いや、――キノたちが行く国に良い国なんてありません。それは物語だけの話ではなく、現実世界の国にも言えることです。


 今、私たちが住んでいる日本もいいところばかりではありませんし、かと言って日本以外の他の国は国でまた違った問題を抱えています。だから、人間がいる限り争いがあるんです。それはどこの国も同じこと、そう思いませんか?。


 イラストを描いているのは黒星(くろぼし)紅白(こうはく)さんです。長く続く作品だからこそ作品内で黒星さんの画力がアップしていることに、時の流れを感じますねー。


 またこのイラストがキノの旅の世界観と会っていて、私は好きです。学園キノは苦手ですが……ていうかキノの旅とイメージ違い過ぎてっていうか……私はついていけませんでした。


 基本短編なので読みやすいです、読書が苦手な方でも気軽に読めると思います。私の小説入門書だったぐらいですから!。文体も比較的読みやすい、まあ、ライトノベルなら当たり前ですけど。


 だけど、暗めで風刺的な話が多いいですが、そういうのが苦手な人でも読んでみて損はないでしょう。なんだか、童話みたいな話が多いいのも特徴です。


 読まず嫌いはもったいない!。必ず貴方様の気に入る話が見つかると私は断言します。


 名言的な言葉が多いいと思います。そういうのが好きな人に薦めてみてはどうですか?。

 例えば


【国は、大きければいいものでもないよ。問題は、そこに住む人達が満ち足りていて、幸せに暮らしているかどうかだ】


【世界は美しくなんかない、そしてそれ故に美しい】


【心に残るのは―― 私達の歴史を作るのは―― いつも、いい記憶ばかり 都合の、いい記憶ばかり】


【あなたを幸せにするのは 最後はいつだってあなただ】


【人は、他人の残酷さにはよく気づく。】


【誰だって、悪いことはしない。 誰だって、何が悪いかは自分で決めている】


【美しいと思うから 美しいと思う】


【人間は、人生で楽だけをしちゃいけないんだ。 毎日ある程度辛い経験をしないと、だらけてしまってダメになる。 人間をぐうたらにしない何かが、人生には必要なんだ】


【あなたが誰かの手を握って 暖かく感じているとき その誰かは 冷たく感じている】



 とかです。どうですか? この他にも沢山名言がありますので、読んでみてください、古い巻なら中古で百円から買えます。名言って言おうとして言える物では、ないんですよね。無意識にでる、言葉が名言になる人間に私はなりたい。

 

 ちなみに、キノの他にも登場人物はいます。師匠と弟子、フォト、シズ、ティー、人間の言葉をしゃべる犬。これはそんな人たちの物語。


 アニメで面白くないと感じた方も、原作はまた違った雰囲気のある世界観で面白いですよ。


 こういった感じでこれから、書評を投稿していきますのでよろしくお願いいたします。

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