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物部の書評広場  作者: 物部がたり
さ行————
40/100

佐藤賢一 『傭兵ピエール』

 集英社(集英社文庫)『全 上・下』 【歴史・ロマン・恋愛】 初版発行: 1996年 著者:佐藤賢一 漫画化有り

 今回はエンターテイメント歴史小説『傭兵ピエール』を紹介します。はい、この物語はジャンヌ・ダルクの物語です。


 え、ジャンヌ・ダルクの話、そんなのいちいち読まなくても知ってるしー。神の声を聞いて、オルレアンを解放した聖人だろ、それでオルレアンの乙女って呼ばれてて、最後は魔女裁判にかけられて死んじゃった、悲劇のヒロイン、って思っている方にこそ読んで欲しいんです!


 全然皆様の知っている物語ではないから(下巻から)。


 私も最初は結末知ってるし、読まなくてもいいやー、と思ってました。しかし読んでよかった。下巻からは全く違った物語だったのです。


 ネタバレになるので詳しくは書きませんが、本当に誰もが知っているジャンヌ・ダルクの物語とは全然違う物語になっています。それにどのキャラも生き生きしていて、感情移入して読んでました。


 ライトノベルくらい読みやすい(けなしている訳ではないです)。


 物語の主人公はジャンヌ・ダルク、――ではなく傭兵ピエールです。そうタイトルにもなっている傭兵ピエールです。またの名をドゥラフルトの私生児ピエール。


 二つ名があるなんてカッコイイですねー。『機動戦士ガンダム』の【赤い彗星】とか【連邦の白い悪】とか『鋼の錬金術師』の【鋼の錬金術師】とか【焔の錬金術師】とかですね。どうです、やっぱり二つ名はカッコいいですよね。


 まあ、ピエールからしたら、そんな良い意味の二つ名じゃないみたいですがね。


 それでは作者の佐藤(さとう)賢一(けんいち)さんのプロフィールを紹介します。


【山形県鶴岡市に生まれる。山形県立鶴岡南高等学校卒業。山形大学教育学部卒業。東北大学大学院文学研究科西洋史学専攻修士課程修了。同フランス文学専攻博士課程単位取得満期退学。1993年在学中に『ジャガーになった男』で第6回小説すばる新人賞を受賞。1999年『王妃の離婚』で第121回直木賞を受賞[1]。2005年1月から新聞連載を開始した『女信長』では、初めて日本史にも挑戦した。2014年『小説フランス革命』で第68回毎日出版文化賞特別賞を受賞】


 ウイキペディアから引用させてもらいました。

 そしてもう一つ作風紹介も乗っていたので、そちらも一緒に紹介します。


【主に中世から近世にかけてのヨーロッパを舞台とした歴史小説を多く書いている。史実をもとにしながら、奇想天外なストーリー、登場人物たちの濃厚な性格描写などで知られる。


歴史学で博士課程を満期退学した経歴を生かし、フランス語史料も駆使して緻密に時代背景を描写する作風である。また、地の文から切れ目無く独白に入り、最後にカギカッコ付きの独白で締めるという独特の文体を多用する。『黒い悪魔』『褐色の文豪』『象牙色の賢者』では、3代にわたるアレクサンドル・デュマ(トマ、大デュマ、小デュマ)について、それぞれの生涯を1冊ずつ書いている[2]。


デビュー以来ヨーロッパ史を題材とした作品をものしてきたが、近年は日本の歴史小説、アメリカを舞台にした近未来小説なども手がけている。


鶴岡市在住。】


 こちらもウイキペディアです。どの作品も、とにかくキャラが立っています。まるでライトノベルの登場人物の様なキャラばかりです。それが本当に読みやすくて、面白い。


 必ずお気に入りのキャラクターが見つかることでしょう。ピエールが団長を務める、荒くれ集団にも濃い、癖が強い、キャラばかり。その集団荒くれ者だから、各地の村で金目の物やら食料やら女やらを奪いまくります。


 当然女たちは慰み者にされるのですが……ちょっと意外な展開に――ご自身でお確かめを!


 そして、何よりも面白いのはピエールの人生を書き切っているところです。感動できること間違いなし。つまり大河小説ですね。


 このピエール荒くれてますが、それなりに? 身分の高いお方なのですよ。どれくらい身分が高いのか?


 それでは簡単なあらすじを紹介します。


 物語の主人公ピエールは荒くれ者でした。傭兵という職業上、強奪、強姦、殺人、あらゆる犯罪に手を染めています。


 しかし、ある日、ピエールはジャンヌ・ダルクに出会いました。ジャンヌ・ダルクといえども、女です、当然荒くれピエールはジャンヌを襲おうとします。


 しかし、ジャンヌには使命がありました。当然皆様も知ってますよね、ジャンヌの使命、そうオルレアン解放です。


 だから、その使命を果たすまでは処女でいないといけないのです、みたいな事をジャンヌは言います。


 その使命が終わったら自分の処女を捧げるとピエールと約束したのです。それからのピエールは色々と変わりました。


 男の人なら処女を捧げると言われたら、萌えるのではないですか? そりゃあ、萌えるでしょ! そして、ピエールはオルレアンに向かうのだった。


 と、いう物語です、はい、本当に面白い小説ですよ。小説を読む気力がないという方は漫画も出てますので、そっちを読んでみるのもいいでしょう。


 最後に助言だけしておきます、上巻で諦めないで、下巻から面白くなりますから。下巻からはあの、ジル・ド・レェの本性が明らかに……。


 ジル・ド・レェを知らない方は調べてください、私はフェイトで知りました。


 教えなくていいかなー、いや、教えておきましょう。なまめかしい描写もあります、はい、その描写目的でいいのでとにかく読んでみて。


 まー、とにかく艶めかしい描写があるんですよ。それではピエールとジャンヌの結末をご自身でお確かめ下さい。

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