貴志祐介 『新世界より』
講談社(講談社文庫) 『全 上・中・下』 【ファンタジー・SF】 初版発行: 2008年1月23日 著者:貴志祐介 漫画化有り アニメ化有り
はい! 今回は貴志祐介さんの壮大な物語『新世界より』を紹介します。この作品は2008年、第29回日本SF大賞受賞作品でもあります。
なんとアニメにもなっているんですよ、読むのが億劫という方はアニメを見てもいいかもしれません。アニメの歌がとてもいいッ!
何といっても壮大な世界観、凄まじい設定、これぞ貴志祐介がたどり着いた新境地!
ストーリー説明はウイキペディアから引用させてもらいますね、それがこちら
【1000年後の日本。人類は「呪力」と呼ばれる超能力を身に着けていた。
注連縄に囲まれた自然豊かな集落「神栖66町」では、人々はバケネズミと呼ばれる生物を使役し、平和な生活を送っていた。その町に生まれた12歳の少女・渡辺早季は、同級生たちと町の外へ出かけ、先史文明が遺した図書館の自走型端末「ミノシロモドキ」と出会う。そこから彼女たちは、1000年前の文明が崩壊した理由と、現在に至るまでの歴史を知ってしまう。
禁断の知識を得て、早季たちを取り巻く仮初めの平和は少しずつ歪んでいく。】
これを読んでいるあなたは1,000年後のことなんて、想像できますか? 私は100年先も想像できません。
それを貴志さんはフィクションといえ、1,000年先の物語を描いているのですよ。いや、逆に千年先の方が描きやすいかな? だって、分からないんですもの、どんなトンでも設定でもありじゃないですか?
文明の崩壊、過去失われた歴史を知るなんて、あらすじだけで面白そうですよね。千年前の文明が滅んだ原因とは? あなたは何だと思いますか?
私が思う一番現実な答えは『核兵器』です。明らかに禁断の知識じゃないですか? とにかく、禁断の知識が登場する、作品は面白いですよね。鋼の錬金術師しかり、獣の奏者しかりです。
この新世界よりの世界では『呪力』すなわちサイコキネシスを使う新人類がいます。ニュータイプですね。ガンダムだったら、テレパシーとか、未来予知とかできますが、この新世界よりはサイコキネシスです。
みんな学校でこの呪力を教わります、まるで『ハリーポッター』のホグワーツみたいですねー。ちなにみ、呪力を使ったバトルもありますよ。派手なバトルではありませんが、イメージするだけで面白そうですよね。サイコキネシス使い同士のバトルって(笑)。
私は上巻を読んでいて、不思議と怖い感覚を覚えました。懐かしい様な、悲しい様な恐怖です。上手くは説明できませんが、未知の生物、閉ざされた世界、まるで進撃の巨人のような恐怖を感じました。
進撃の巨人も今でこそ色々な、謎が明かされてきましたが、初めの頃は意味の分からない巨人に人類が捕食されるシーンが怖かった……私だけでしょうか?。巨人の夢まで見たんですよ! そう、捕食される夢です……。起きたら、冷や汗をかいていました。
そして物語の大きなカギになるのが、ハゲネズミという謎の生命体です。ハゲネズミは蟻のように女王と働きネズミたちでできた、社会を持っているのです。
知能が人間と同等にあり、主人公たちはその謎を探る? という風に物語も展開されていきます。ハゲネズミの正体とは何なのか? それは禁断の知識の中に隠されているのだった。
はい! タイトルになっている、この『新世界より』とはドボルザーク、交響曲第9番の「新世界より」から取っています。夕方帰りの時間とかに流れるイメージの曲ですね。帰宅路ですよ! 通りで読んでいて懐かしいような感覚を思えた訳です。
ウイキペディアで詳細を見ると
【交響曲第9番 ホ短調 作品95『新世界より』は、アントニン・ドヴォルザークが1893年に作曲した、4つの楽章からなる最後の交響曲である。古くは出版順により第5番と呼ばれていたが、その後作曲順に番号が整理され、現在では第9番で定着している。】
作中にも新世界よりの曲が登場します。いったい、どのシーンで登場するのかはご自身でお確かめください。
SFオススメ小説を調べれば、この作品は必ずといっていいぐらい入っています。それだけSF傑作小説なので、読んでみてください。ありがとうございました。




