貴志祐介 『悪の教典』
文藝春秋(文藝春秋文庫) 【サイコ・ホラー】 初版発行: 2010年7月30日 著者:貴志祐介 漫画化有り 映画化有り
はい! 今回は日本スリラーの傑作『悪の教典』を紹介したいと思います。作者は貴志祐介さんです。
私は貴志祐介さんの作品では今回紹介する『悪の教典』と『新世界より』しか読んだことないのですが、どちらも面白かったですよ。中でも『新世界より』は世界観が凄い!。
近いうちに貴志さんの『グリムゾンの迷宮』を読んでみたいと思っていたところでした。そちらも読んだら、紹介しますね、乞うご期待。
書評らしく貴志祐介さんのプロフィールを紹介しましょうか、それがこちら
【1959年大阪府生まれ。京都大学経済学部卒業。1996年、日本ホラー小説大賞長編賞佳作を受賞した「ISOLA」が『十三番目の人格ISOLA』と改題後、刊行される。1997年『黒い家』で第4回日本ホラー小説大賞を受賞。2005年『硝子のハンマー』で第58回日本推理作家協会賞(長編及び連作短編集部門)受賞。2008年『新世界より』で日本SF大賞、2010年『悪の教典』で山田風太郎賞を受賞。他の著書に『クリムゾンの迷宮』、『青の炎』、『鍵のかかった部屋』、『雀蜂』などがある。】
はい! この悪の教典は山田風太郎賞を受賞している、作品ですね。まるでシャルル・ボードレールの悪の華的なダークな感じの物語です。
簡単なストーリーを紹介していきましょう!。主人公は蓮実聖司です。爽やかなルックスと話術、頭脳明晰などで女子生徒からすっごく慕われています。
付けられたあだ名が「はすみん」です、PTAや女子生徒で作られたファンクラブがあるぐらいですから。サイコパスは口が上手いと言いますからね。
皆様が思う主人公のイメージって何ですか?。やさしい、仲間思い、正義感がある、とかでしょうか、しかし! 今回紹介する悪の教典の主人公、蓮実はそんな主人公像を真っ向からぶち壊します。
なぜなら、蓮実はサイコパスだから。まあー、サイコパスの主人公でもなんだかんだ言って良い奴はたくさんいます、が、この主人公は根っからの極悪です。ジョジョの奇妙な冒険(ファントムブラット編)のスピードワゴンがディオにいったセリフそのままです。
「こいつはくせえッー! ゲロ以下のにおいがプンプンするぜッーーーーッ!! こんな悪には出会ったことがねえほどなァーーーッ 環境で悪人になっただと? ちがうねッ!! こいつは産まれついての悪だッ! ジョースターさん 早えとこ警察に渡しちまいな!」」
このがそのスピードワゴンがディオに言った言葉です。ジョジョのセリフは良いですね。言葉のチョイスがカッコいい。スピードワゴンの言葉通り蓮実は生まれついての悪です。
スピードワゴン先生、その言葉を蓮実にも言ってやってください!。
いや、極悪というよりは自分の計画のためには、意思を曲げないという方が正しいかな?。そういうところは、主人公らしいですね。
はい、蓮実は高校の英語教師です。その高校も結構荒れいるんですよ、例えば生徒と教師が性的関係を持っていたり、いじめがあったり、副校長が裏で学校を支配していたり。ね、荒れてるでしょ? …………普通? ですか。
蓮実は腹黒だけど、表にはだしません、サイコパスは賢いんですよねー。悪役でも人気があるキャラとかいるじゃないですか、例えばドラゴンボールのフリーザとかジョジョのディオとか、蓮実はそういう感じの人です。
最終的にやり過ぎじゃないのと思ってしまうかもしれませんが、これは小説、創作作品なのだからここまで徹底的にやった方が面白いかな? です。
そんな高校でも蓮実の本質を見抜く、生徒がいます、最終的にはその生徒たちとの最終決戦になるのですが。
私は副校長との頭脳戦が見たかったですが、蓮実はこの高校ではメガロドンだったので何枚も上手でしたがね。
このメガロドンという例えは蓮実よりもやばい奴から言われた例えです。この蓮実よりもやばい奴とは? 果たしているのだろうか……。
生徒たちは蓮実に勝てるのか?。最後の結末にまだ恐怖は続くのかと思わせる恐ろしさがありました。
そういうところはホラー小説みたいですねー。結局一番怖いのは人間だってことですよ。悪の教典を読んだ後、貴志さんのことを怖いと思いました。
サイコ系が好きな方は良ければ、読んでみてください、では次回。あ、でも、残酷描写が苦手な人は読まない方が身のためですよ。




