織守きょうや 『記憶屋』
角川書店(角川ホラー文庫) 【ホラー・ヒューマンドラマ】 発売日: 2015年10月24日 著者:織守きょうや イラストレーター: loundraw 2020年映画化予定
今回は織守きょうやさんの『記憶屋』を紹介します。そう、おりがみです、実は今、私が書いている小説の主人公もおりがみという名字なのですよ。
え、「そんな事関係ないだろう!」でっすって? ……関係ありませんね(涙)。ごめんなさい……本題に入ります。
だけど、私からしたら、親近感が湧く名前なんですよ、それにおりがみって名字かわいいと思いませんか?。
私はかわいいと思うんだけどなー。まあ、感じ方は人それぞれですよね。それにこの作品第22回日本ホラー小説大賞 読者賞受賞作品なのです。そうです、それなりの賞を取った作品なのです。
それで、この書評を書くにあたり、改めて『記憶屋』の事を調べてみたら、なんと! 2020年に山田涼介さん主演で、実写映画化が予定されているではありませんか!。映画化ですよ、映画化、人気作品じゃないですか!。
今からますます知名度が上がっていく作品だと思います。人より早く知りたい方は読んでみて損はないでしょ。ブームに乗っかれ! ですよ。
ではストーリー紹介を簡単に紹介しましょう。と、思いましたがウイキペディアから引用した方が皆様も分かりやすいでしょう? それがこちら
【夕暮れになって、公園のベンチに座っていると現れるらしい記憶屋という摩訶不思議な怪人。座っている人物の嫌な記憶をすっかり消し去ることができるという話を聞いた遼一だが、それはただの都市伝説であり、現実的にはあり得ないと考えていた。
しかし、そんな遼一の周りでその都市伝説が現実になる出来事が起きる。互いに恋心を寄せていた杏子という女性が夜道恐怖症を乗り越えるために記憶屋に出会っていたのだ。
数日後に会った杏子の記憶からは夜道恐怖症のトラウマと同時に、慕っていた遼一のことも消え去っていた。都市伝説と疑っていた遼一だったが、身近な人間が記憶を消されたという現実に記憶屋の存在を認めざるを得なくなる。
実は他にも杏子と同じような境遇の人間がおり、彼らもまた嫌な記憶を記憶屋に消し去ってほしいと思っていたのだ。記憶屋という存在を突き止めるために、遼一は真相を探り始める。】
と、いうストーリーです。都市伝説的なお話って面白そうですよねー。口裂け女とか人面犬とか怖いし面白いじゃないですか。口裂け女を使った作品なんて絶対面白いですよね(笑)。
都市伝説ができた、訳とかもありますしね。例えば口裂け女は塾帰りの子供たちの間で広まったとか、って言われてますよね。
遼一曰く、知り合いの知り合いから聞いた話はその知り合い知り合いには一生、辿り着く事はできません。書いた言葉は違いますが意味は大体同じです。
つまりその記憶屋を見たっていう、知り合いの知り合いには会えないって事です。だって、記憶を消されるんだから……あれ、――私怖い事言いましたか?。
ジャンルはホラーなのですが、どっちかと言うと純文学的な作品です。記憶とは何なのか? 忘れたい、記憶を消すことは正しいのか? なぜ記憶屋は記憶を消すのか?。などなど、結構純文学です、そしてなぜか分からないけど読後感が幻想的。
記憶を消すということは知り合いだった人がいつの間には知り合いではなくなっているという事だから……。
読み終わった時には何だか、悲しく心温ます余韻に浸れることでしょう。雰囲気が『夜市』的なファンタジー的な作品です。私は三巻までしか読んでいないのですが、まだ終わってないみたいです。長く楽しめる作品ですね。
そして記憶屋の正体とは? なぜ記憶屋という怪人がいるのか、ご自身でお確かめください。




