阿刀田高 『新約聖書を知っていますか』
新潮社 (新潮文庫) 【エッセイ】 初版発行1996年 著者 阿刀田高
今回は『旧約聖書を知っていますか』の続編『新約聖書を知っていますか』を紹介していきたいと思います。
阿刀田高さんの、こういう古典を紹介してくれるシリーズを古典シリーズと呼ばれています。『氷菓』の古典シリーズとは違いますよ。阿刀田高の古典シリーズは本当に古典を紹介してくれるシリーズです。
皆様も阿刀田高、古典シリーズと調べてみてください、いっぱいありますから。
では早速、『旧約聖書を知っていますか』の続き『新約聖書を知っていますか』を解説していています。新約聖書とはキリスト教の聖典です。
そして、新約聖書とは福音書のお話なのです。福音書? ってなんぞや? と思いの方心配しないでください、ちゃんと説明しますから(ウイキペディアが)。
福音書とはウイキペディアによると
【福音書は、イエス・キリストの言行録である。通常は新約聖書におさめられた福音書記者による四つの福音書を意味する。その他にトマスによる福音書などがあるが、正典として認められなかった外典文書である。 日本正教会では福音経とも呼ばれる。これは福音書を、奉神礼において詠まれる祈祷書の一つでもあると捉える考えに基づいている。】
、だそうです。
つまりイエスの死後書かれた、イエスが言った言葉を集めた書物です。書く人によって、話が少し異なっていますが、扱っている人物は同じで語り部が違うだけです。語り部が違うといっても私ではありませんよ……え? 悪ふざけが過ぎましたか? ごめんなさい。
この『新約聖書を知っていますか』も前作と同様にすっごく分かりやすく解説されいて、これを読むだけで話の流れが、すべて分かります。
イエスの誕生から、死、そして復活までを分かりやすく、笑いも交えながら語れるのだから阿刀田高さんは凄い! イエスはどう生まれ、どう亡くなって、どう復活したのか?
そして、どうキリスト教は広まったのか? あなたは説明できますか? 大抵の日本人はできません。私も殆ど説明は無理です。
この書籍を読んだ後には、少しは語れるようになっていると思います。聖書のストーリーを知っていると、西洋美術を楽しんだり、聖書を下地にした創作作品ををより深く知ることができるのです。
あ、それと、作者の阿刀田高さんは無神論者なので、聖書の中のおかしな箇所にはバンバン突っ込みをいれるので、飽きることなく読めます。聖書は年齢の表記がおかしんですよ。八十代でもバンバン、子供を産みますし。
簡単にイエス様のことを触れておきましょうか、イエスとは処女懐妊で知られるマリア様の子供です。つまり、神様の子供なのと疑問に思われるかもしれませんが、そこは難しいところでイエスは神の子なのか、そうでないのか、それとも預言者なのか議論が絶えないのです。
預言者とは簡単にいえば、神の意志を民衆に伝える人のことです。ユダヤ教でいう、モーセ(モーゼ)、キリスト教のイエス、イスラム教のマホメット(ムハンマド)が預言者と呼ばれています。
最後に雑学的なことを一言、イエスは最後までユダヤ教の信者でした、イエスのいなくなった後にイエスの奇跡を信じて作られたのがキリスト教なのです、イエスが自分で作ったわけではなかったのです。
はい! 『旧約聖書を知っていますか』と『新約聖書を知っていますか』さえ読んでいれば、聖書のことを聞かれたときに、少しはましな返答ができるようになっているでしょう。ここまで教養が付く書籍もめったにないので、読んでみてください。
聖書はロマンで溢れています、知れば知るほど奥が深い、この書籍を読んで興味を持たれましたら、自分で色々と調べてみるのも良いでしょう。
何千年にもわたり世界は聖書の事を研究してきました。少し読んだぐらいでは聖書の事など分かりません。この本が面白かったら、ご自身で色々調べてみると良いでしょう。ありがとうございました。