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物部の書評広場  作者: 物部がたり
あ行————
18/100

冲方丁  『天地明察』

 角川書店(角川文庫) 『上下巻』 【歴史】 初版発行: 2011年9月 著者:冲方丁 漫画化有り 映画化有り

 はい、今回は冲方丁(うぶかたとう)さんの『天地明察』を紹介します!。冲方丁さんと言えば脚本家としても、知られていますよね。


 『攻殻機動隊ARISE』 シリーズ構成の脚本とか、『PSYCHO-PASS サイコパス 2』 シリーズ構成とかを手掛けたのがこの人です。最近では『十二人の死にたい子どもたち』が、メディア化しましたね。


 十二人死にたい子どもたちっていうタイトルが衝撃的ですよね。内容が気になります。映画化しているから、私と同じように気になった方は見てみるといいでしょう。


 それと、皆様はサイコパスというアニメ見た事ありますか?。


 今三期が始まりましたね!。サイコパスは面白いんですよ。緻密に練られた世界観、ストーリー構成、近頃のアニメにない完成度です。中でもサイコパスの一期は最高!。


 冲方丁さんには悪いけど私はサイコパスの一期が一番好きです(笑)。狡噛 慎也(こうがみしんや)槙島 聖護(まきしましょうご)の対決は名作です。


 サイコパス三期が始まるにあたって、過去のおさらいをしていたのですが。そのおさらいにランキングがあって、「完璧な世界」っていう最終回のシーンが一位になっていました。


 私もあのシーンが一位じゃないかなって思ってたんですよ。嘘だと思いますか? いえ、本当にあのシーンが一位だと思ってました!。


 あの、麦畑で槙島を追う狡噛のあの場面、傑作ですよ!。『ライ麦畑でつかまえて』、ですよ。麦畑で槙島を捕まえるんですよね~。あの、光と影のコントラストは芸術的でした。


 槙島「なあ、どうなんだ狡噛、君はこの後、僕の代わりを見つけられるのか」


 狡噛「いや、もう二度とごめんだね」


 このシーン、ピアノの音楽が流れて、狡噛が槙島を撃つんです。槙島はドミネーターで殺すことができないから、本物の拳銃で撃つんですよねー。いくら科学が発達した現代でも人間の本質という物は変わらないんですよね~。


 槙島は免罪体質っていう、特殊な体質なんです。シビラの干渉を受けない、新時代に選ばれた新人類です。言うなれば新世界の神になる、男ですよ。


 え? 話がデスノートになってるって、そうですね。新世界の神の話は置いておきましょう。


 槙島は本を読むのが好きで、よく名作の作品の例え話をするんですよ。


 槙島「まるでバルニバービの医者だな」


 槙島「バルニバービのある医者が、対立した政治家を融和させる方法を思いつく。二人の脳を二つに切断して、再び繋ぎ合わせるという手術だ。これが成功すると、節度のある調和のとれた思考が可能になるという。」


 って槙島が言うんです。バルニバービとはガリヴァー旅行記に登場する国です。高度な文明を持っていて、変わった風習を持っていて、科学者の国です。


 意外と知られてませんが、ガリヴァー旅行記のガリヴァーは色々な国に行ってるんですよ。あの有名な小人の国はその一部です。宮崎駿監督の『天空の城ラピュタ』はガリヴァー旅行記から取ったんですから。


 知ってました? ガリヴァーはラピュタにも行ってるんですよ。そして、日本にも来ているのです。衝撃ですよね。ワンピースでいう和の国編ですね(笑)。


 まあ、とにかく、槙島は色んな本の例えをするんですよ。それがカッコいいのなんの、あんな風に例え話ができる人間になりたいですね(私は槙島教の信者です)。


 悪役なのに好かれるキャラっていますよね。この槙島も悪役なのに好かれるんですよ。悪のカリスマです。ドラゴンボールのフリーザしかり、ジョジョの奇妙な冒険のディオしかり、槙島も同じです。


 私はどちらかというと、悪役が好きです。いや、悪役がカッコいい作品が好きなんでしょうね。とことんサイコ過ぎる奴は無理ですが、槙島とかMONSTERのヨハンとか、そういう感じの悪役は好きなのです。


 いま、三期が始まり再び盛り上がりを見せている『PSYCHO-PASS サイコパス』、皆様も観たいですか?。このブームに追いつきたいですか?。


「見たいけど、お金がかかるしな……」


 そんな方に朗報です!。なんと、なんと、なんと! 無料で観れちゃいます!。しかもですね、今なら、一期から二期まで無料!。さらにさらに、送料も無、あ間違えた。


 怪しげなテレビショッピングみたいになってしまいました(笑)。だけど、YouTubeで無料で観れるのは本当です。だまされた、と思って見てみてください。ハマる人はハマりますから。


 あれ? 話が反れ過ぎましたか?。今まで史上一番、話が反れましたね。これじゃあ、サイコパス紹介になってしまっています(苦笑)。


 何の話でしたっけ……あ、そうそう、『天地明察』でしたね。それでは『天地明察』の紹介をしていきます。この、『天地明察』は日本の改暦を題材とした歴史小説です。


 歴史小説といっても剣客同士のバトルや悪者を退治する、話ではありません。派手さはありません。だけど、面白い。最近の読者は派手さを求めていますからね。


 派手さを求める人は面白くない、と感じるかもしれません。だけど、そんなん事では日本の文芸はすたれるでしょうね。こんな、作品も大切です。


 時は徳川四代将軍『家綱』の時代で、ある「プロジェクト」が立ちあがった。即ち、日本独自の太陰暦を作り上げることである。


 太陰暦を作り出すという事は数学の話になりますが、私は数学はからっきしダメで何も語れません。だけど、読むに至っては面白い!。別に方程式や数字が並んだ書物ではありません。


 だから、数学が苦手な人が読んでも十分面白いです。


 主人公は安井算哲(やすいさんてつ)こと渋川春海(しぶかわはるみ)です。春海という名前ですがれっきとした男です。天文歴学者の他に囲碁棋士、神道家としても知られているそうです。


 囲碁の腕も凄いんですよ!。あの囲碁の本因坊家、井上家、林家、安井家、の元四家の安井家の跡取りですよ。ヒカルの碁を読んだおかげで、そのあたりの凄さの知識が付いています!。


 雑食はするもんですね(笑)。


 そして、春海のライバル? が、関孝和(せきたかかず)なのです。この作品を読むまで春海も関孝和の事も知りませんでした。


 関孝和とは江戸時代前期に大活躍した和算家です。日本の数学を世界レベルまで引き上げた、という逸話が残っているほど、和算の生みの親だそうです。気になった方は調べてください。


 関孝和はある塾に通っては数学の問題を一瞥(いちべつ)しただけで解いて帰るから『解答さん』と呼ばれています。この解答さん、皮肉も込められているんですよ。


 問題を解いて帰るだけで、自分からは問題を出そうとしないから生徒たちからは、『怪盗さん』と呼ばれているんです。


 そんな関孝和の凄さを目の当たりにした、春海は自分も関に問題を出したい、と思うようになります。そして、考えに考え抜いてある問題を作りました。

 

 関は春海の出した問題を解くことができるのか?。


 物語が大きく動くのは後半からです。文庫本派の人は下巻まで読んでみてください。下巻からいよいよ日本独自の太陰暦の創造編に入りますから!。


 今回はサイコパス紹介で長くなってしまったので、この辺にしておきましょうか、今回は今までで一番脱線しましたね(笑)。まあ、これからも、かなり脱線する紹介になると思いますが、それでも良かったら、読んでください。


 (こよみ)をにぎるとは政治、経済、商業、何から何まで支配する、という事です。人間は古代の昔から暦を作ってきました。いや、作ってきたのではなく数学と同じように初めから存在していたのです。


 暦とはこの世界の起源を知るためになくてはならないもの、私たちの生活になくてはならないもの、そんな日本の暦を作った渋川春海の生涯をとくとご覧あれ。


 と、カッコよく終わろうと、思ったのですが、重大な事を書き忘れました。この作品は岡田准一主演で映画化しています。そして、漫画化もしています。


 小説が苦手な方は映画なり漫画なにを観たり、読んだりすることをお勧めします。


【星が動く。時代が動く】渋川春海の人生が『天地明察』を読めば分かります!。今回は話しがかなり反れましたが、こんな回があっても良いですよね(笑)。ありがとうございました。

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