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物部の書評広場  作者: 物部がたり
あ行————
10/100

伊坂幸太郎 『グラスホッパー』

角川書店(角川文庫) 【サスペンス:分類不能】 初版発行: 2004年7月 著者:伊坂幸太郎 映画化有り

 今回は殺し屋たちの狂想曲『グラスホッパー』を紹介します。はい、殺し屋小説ですねー。珍しいジャンルですよね。え? 「珍しくないって」、そうですか……そうですよね。創作作品には殺し屋なんていくらでも登場しますしね。『暗殺教室』て、いう殺し屋育成学校があるぐらいですものね。


 殺し屋小説と聞いてグロテスクな描写や胸糞悪くなる殺しが出てくると思い、一歩引いていたあなた! 安心してください、この物語の「殺す」とは破壊するということだから、グロテスクな描写は極力使われていません。殺し屋が標的を始末する時でも、淡々として描写で描かれるので意外と大丈夫です。


 ちなみにタイトルにもなっている『グラスホッパー』とは英語で昆虫のバッタ(grasshopper)という意味です。この物語の中にもバッタの生態系の話が語られます。


 バッタというのは一か所に密集していたら狂暴化するようです。それを人間に例えて、人間も一か所に集まっていれば狂暴な感情になる、と語られています。つまり、大都会なんかで暮らしていると、狂暴になる、ということですね。


 それでは伊坂幸太郎さんのプロフィールはこちら


【千葉県松戸市出身。東北大学法学部卒業。この時期の東北大学には、薬学研究科に瀬名秀明、文学研究科に佐藤賢一、理学部に松崎有理と円城塔など、現在小説家として活躍している人物が在学していた。大学卒業後、システムエンジニアとして働くかたわら文学賞に応募、2000年『オーデュボンの祈り』で第5回新潮ミステリー倶楽部賞を受賞しデビュー。数年後に作家専業となった。宮城県仙台市在住。


2002年の『ラッシュライフ』で評論家に注目され始め、2003年の『重力ピエロ』で一般読者に広く認知されるようになった。それに続く『アヒルと鴨のコインロッカー』が第25回吉川英治文学新人賞を受賞。


本屋大賞においては第1回から第4回まで連続ノミネートされた後、2008年の第5回に『ゴールデンスランバー』で受賞した。同作品で第21回山本周五郎賞も受賞。なお直木賞については、2003年『重力ピエロ』、2004年『チルドレン』『グラスホッパー』、2005年『死神の精度』、2006年『砂漠』で候補となったが、2008年、同賞の影響力の高さゆえに環境が変化する可能性を憂慮し、選考対象となることを辞退している[1]。】


 ウイキペディアからの引用です。


 ストーリーを簡単に説明すると裏社会の物語です、はい。え、簡単過ぎましたか? じゃあ、もう少し詳しく。この物語には色んな殺し屋が登場する物語です。そうです、一人の殺し屋の話じゃないんですよ。色々な殺しの流儀を持つ殺し屋たちが織り成す、サバイバルです。


 自殺させることを得意とする(鯨) 


 女や子供を殺すことを得意とするナイフ使い(蝉) 


 ターゲットを押して車や電車に轢かせる専門(押し屋) 


 殺し屋のサポートを専門にする(劇団) 


 黒と黄色、毒使い通称 (スズメバチ) 


 拷問専門の土佐犬と柴も一様、書いときます。


 個性豊かな殺し屋たちがいますねー。押し屋ですよ、押し屋、当たり屋なら知っていますが、押し屋がいるとは! 驚きです。確かに、一番確実ですもんね。車が通っている、横断歩道なんかで、後ろから押すだけで良いんですもの。それに電車が来るときに押すとかね。


 ああ、これ以上話すと怖くなるのでやめましょう(冷や汗)。


 こうなってくると、誰が一番強いんだって私は考えてしまいます、単純でごめんなさい。だけど誰が一番強いか気になりませんか? 最後まで生き残るのは誰だ!。最後には誰が一番強かった? か分かりますから。


 殺し屋ばかり登場するせいで麻痺しそうですが、安心してください一般人から見た視点(鈴木)がは入ってますから。鈴木は妻を殺した男に復讐するために、闇の組織に入ります。


 物語の冒頭に分かっちゃうので書いちゃいますね。鈴木の妻を殺した男は押し屋に押されて、殺されます。


 鈴木の妻を殺した男は「令嬢」という組織のボスの息子だったのです。


 そこから、殺し屋たちは様々な思惑が渦巻く中、押し屋を探し始めるのです。


 この物語では伊坂さんなりに政治を皮肉っています。あー、そうか、確かにその通りだな、と考えさせられる皮肉りもあります、読んで確かめてください。


 そして嘘か本当か殺しを依頼するのは政治家なのです。政治家が汚職を隠すために秘書や愛人を殺せと依頼するのです。


 伊坂さん曰くいくら汚職をしている政治家だろうと秘書などの身近な人が死ねば、「まー、死んで償ったのだから許してやろう」と国民はなるそうです。その通りですよねー、政治家の思うつぼですねー。しかも、日本人はそう言う傾向が強い。海外は政治家の汚職にはデモが起きるぐらいに厳しいですからね。


 政治家が保護してるんですから殺し屋や裏社会はそりゃあ、なくなりませんよね。ヤクザとか……(苦笑)。果たして、殺し屋の中で誰が一番強いのか? ご自身でお確かめ下さい。そして常人、鈴木の運命はいかに……。

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