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分かり合える


「弟月くんったらもう!お姉さんに尾行されたいなんて、困っちゃうなぁ。」

「尾行されたいとまでは言ってないよ。」

「弟月くん、私は困らないから尾行してほしいときは何時でも言ってね。」

「尾行して欲しいときってどんなときか考えてみるね。」


ぼくの言葉をかなり良いように捉えたふたりのテンションは凄まじく、本当に尾行が続きそうで一抹の不安を感じるぼくと、御構いなしにはしゃいでいる姉帯さんと新妻さん。そんな様子を見て若干呆れ気味の八神先輩が割って入ってくる。

「はぁ、弟月くん。キミたちはいつもそんな調子なのかい?」

「えっと、だいたいはこんな感じです。あ、でもふたりともすごい優しくていい人なんですよ。」

「そう、なのかい?」

「はい!ぼくが学校生活を楽しく過ごせてるのはふたりのおかげです。」

「…そうか。」

ぼくの言葉に少し考え込む八神先輩。少しして何か納得したように頷いて、まだはしゃいでいる姉帯さんと新妻さんに近づいていく。


「ふたりとも、キミたちは随分と弟月くんに信頼されているようだね。」

「え?弟月くんホント?マジ嬉しいんですけど!」

「まぁ、高校に入ってからの付き合いですけど、ウチらも弟月くんに助けてもらったことあるから、その弟月くんに信頼してもらえてるなら、それは嬉しいですね。」

「うん、そうか。すまなかったな。」

「え、急に何ですか?」


「弟月くんは、たった一人の委員会の後輩だからね。初めの頃はなかなか友達ができないと凹んでいてね。先輩としては心配していたのさ、けれどもいつからか前より明るくなってね。どうやらキミたちのおかげみたいだ。感謝するよ。」

「え、いい人じゃん。この人。」

「なんか、こっちこそ生意気言ってすいませんでした。」

「いいんだ。最初はこちらも探らせてもらっていたからね。だが、弟月くんにこんなにも信頼されているならそれで充分だろう。ちょっとしたお菓子くらいしかないが、ゆっくりしていってくれ。」

「先輩。ありがとうございます。」

「誤解しててすいませんでした。委員会では弟月くんをよろしくお願いします。」

「あぁ、任せてくれ。」

何やら分かり合っていた三人だった。


「八神先輩。なんか心配かけてたみたいで、すみません。」

「それこそ気にしないでくれ、私が勝手に心配していただけだ。それに結局は何もできなかった。」

「そんなことありません!初めの頃、委員会で先輩と話ができるだけで、ぼくがどれだけ救われたか、だから、ありがとうございます先輩。」

「そうか、少しでも先輩らしいことができていたならよかった。弟月くん、友達を大切にするんだよ。」

「はい!」


「うぅ、いい話じゃん。お姉さんウルっときた。」

「なんにせよ、いい先輩だったね。」

「うん、安心して委員会に行ってもらえるね。」

「そうだね。弟月くんを誘惑してあんなことや、こんなことをするエロい女医先生はいなくてよかった。」

「…結、その妄想まだしてたんだ。」


こうして弟月くんの委員会の謎を解き明かしたふたり。その後、保健委員会に入り委員会でも弟月くんと一緒にいるか、保健委員会には入らず弟月くんに看護されるオイシイおもいをするか、究極の二択で迷っているふたりがいましたとさ…。

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