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バレてる


みなさん、こんにちは弟月佳奈です。

保健室の空気が最悪です。


「……。」クチャクチャ

ガムを噛みながら椅子に深く座り足を組む姉帯さん。


「……。」

ココアシガレットを加えて目を見開いている新妻さん。


「ふっ…」

ふたりの視線を意に介さず、ぼくのすぐ隣に座る八神先輩。


保健室の空気が最悪です。誰も話をしないまま、保健室に異様な空間が出来上がってしまっていた。場の空気を変えるために何かしらの話題を探すぼく。

「そういえば、ふたりはどうして保健室のあたりにいたの?僕を見つけて飛び込んで来たって言ってたけど。」

「え、そ、それはたまたま、たまたまかな。ねぇ明日香?」

「そ、そうそう!それよりもさ、水道とかトイレを見て回ってたけどあれが委員会の仕事なの?」

「うん!そうだよ。ああして、水道の石鹸とかがきれてないか確認してるんだ。女子トイレは八神先輩が見てくれてるよ。」

「へぇ、保健委員会ってそんなことしてるんだね。」

「他にもいろいろあるよ。主に衛生管理的な面でね。体育祭とかの救護係とかもするみたいだね。」

「え、弟月くんが救護係するの?じゃあ倒れたら弟月くんが優しく看病を…。」

「心配になるから、わざと倒れないでね。」

「それより、いいだろうか、先ほどふたりは偶然弟月くんを保健室前で見たと言ったが、何故弟月くんが各階のチェックをしていたことも知っているんだ?」


「……。」

「……。」

「あれ、そういえばそうだね?」


(ちょっと明日香⁉ 何言っちゃってんの⁉)

(ご、ごめんごめん。何とかごまかさないと…)


「弟月くん、もしかしたらこのふたりはキミのことを尾行していたんじゃないか?」

「え?姉帯さんと新妻さんがぼくをですか?」


不敵な笑みを浮かべてふたりを見る八神先輩。

(うぉおおおおお!アイツ何言っちゃってんの⁉)

(ヤッバいよ!あの女にはバレてる⁉)


「弟月くん、もしふたりが本当にそんなことしてたら幻滅しちゃうんじゃないかな?」

「……。」


「いやぁきっと偶然ですよ。それに本当に姉帯さんと新妻さんがぼくをつけていたんだったら、なんかふたりに気にしてもらえてる気がして、嬉しい、かな?」

「弟月くん!お姉さん!あなたを尾行してました!末永くよろしくお願いします。」

「あ、弟月くん。私が言い出しっぺね。私の方が明日香より弟月くんを尾行したくてたまらなかったの。」

「ええ⁉ホントに尾行してたの⁉」

「もちろん!弟月くん、お姉さんは常に見守っているからね。安心して何時でも無防備にすごしていいんだよ。」

「弟月くんの希望なら帰宅後から就寝中までウチらに任せてもらっていいんだよ。」

「あ、そこまでは大丈夫かな。」


「…キミたち、そこまでの開き直り方もどうかと思うよ。」

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