表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
派手なギャルと地味なぼく ~目立たないけどあの子、なんか気になるんだけど~  作者: 美濃由乃
二学期

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

39/46

エロい女医先生はいなかったけど


ふたりが見たものは、見知らぬ美女。サラッとした長いストレートの黒髪。制服もしっかりと着ていて真面目そうな印象をうけるが、けっして野暮ったくはない、気さくそうに笑う美人さんと、子犬のように美人さんに駆け寄って行く弟月くんの姿だった。ふたりには弟月くんに尻尾があって、凄い勢いで振っている幻覚が見えた。

「弟月くん。お疲れ様。今日も早いね。」

「先輩もお疲れ様です。各階の水道の石鹸のチェック終わりました。」

「ふふ、キミはいつも真面目に仕事を頑張っているね。助かるよ。」

「いえ、そんなこと、ないですよ。」


「な、なんやねん。あの美人さんは?弟月くんメッチャなついてるじゃないっすか!子犬みたいでカワイイんですけど!」

「落ち着きなよ明日香。口調が変になってるよ。 どうぞ。」

「結も落ち着いて、どうぞはもう終わったから。」


「?弟月くん、そこのふたりは知り合いかな?」

「あ、はい!ふたりともぼくの大事な友達です!」

「…へぇ 大事な 友達ねぇ。」

「先輩?」


「やぁこんにちは、ふたりは弟月くんのお友達なんだって?」

「お、なんだやんのか?お姉さんはポッと出の女には負けませんよ。」

「落ち着きなよ明日香。あ、あと私は弟月くんの友達じゃなくて恋人です。」

「おいぃい⁉ さらッと何嘘ついてんの結!」

「あはは、面白い人たちだね。弟月くんからはお友達と聞いたよ。ただの、ただの友達ってね。」

「えぇええ⁉ あんたも何さらっと嘘ついてんの?弟月くんは大事なって言ってたでしょ!」

お互いに今知り合ったばかり、言葉を交わしたのもほんの少しだけ、だが、それだけで充分だった。それだけではっきりとわかった。


このふたりは

この女は


私の

ウチらの


敵だ!


三人は一歩も引かずに、ほぼゼロ距離でガンを飛ばしあう。近距離でバチバチと火花が飛ぶ。

「あ、あの、みんなどうしたの?」

「いや、なんでもないよ弟月くん。キミの ただの お友達に挨拶をしようと思っただけだよ。」

「あはは、そういうあなたは弟月くんの何なのでしょうか? ただの 先輩ですかぁ?」

「ちょっと明日香、押さえなよ。たとえ弟月くんにとって ただの 先輩でも、先輩であることにはかわりないんだから。」

「はは、言うじゃないか。弟月くん、キミの友達はとても面白いね。」

「先輩、全然顔笑ってないですけど本当にそう思ってます?」


「とりあえず!姉帯さん、新妻さんも紹介するね、こちら保健委員会の先輩、八神やがみ 優菜ゆうな先輩。いつも委員会ではお世話になってるんだ。」

「どうも、二年の八神だ。弟月くんとはいつもよろしくやらせてもらっているよ。」

「よろしく?」

「やらせてもらってる?」


「で、先輩。このふたりは僕のクラスメイトで、綺麗な金髪の方が新妻 結さん。モデルさんみたいに背が高い姉帯 明日香さん。いつも仲良くしてもらってるんです。」

「どうも~ 綺麗な金髪が自慢の新妻結で~す!弟月くんとは食事をアーンして食べさせあう仲です。」

「モデルのように綺麗な姉帯明日香です。弟月くんとは一夜を一つ屋根の下で過ごした仲です。」

「ほう…」


「……。」

「……。」

「……。」


「え、何でそんなに険悪なの?」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ