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尾行


「え〜こちら、A。現在目標を追跡中。おと、目標は階段を上がっていきます。どうぞ。」

「こちらY。了解。目標が階段を上がって行くのを確認。追跡を続けます。」


物陰に隠れながら、スマホをトランシーバーがわりにして追跡を開始するふたり。尾行されている本人はまだ気付いていないようだが、すれ違う生徒たちからはバレバレで、みんなの注意をかなりひいているが、そんなことは気にしない、もはやふたりには追跡している目標しか目に入らないのだ。これぞプロである。

「アンパンと牛乳買いに行く?どうぞ。」

「そんなことしたら目標を見失うでしょ!どうぞ。」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


「え〜こちら明日香。現在弟月くんは3階の手洗い場で何かしてるみたい。どうぞ。」

「ちょっと、明日香、自分の名前言っちゃってるから、コードネームでしょ!どうぞ。」

「ゴメン。どうぞ。」


「こちらA。あ、目標が男子トイレに入りました。どうぞ。」

「よし!突入!どうぞ。」

「え、いいの?どうぞ。」

「待った!すぐに出てきた!突入中止!」


「目標、二階の手洗い場に向かっています。どうぞ。」

「手洗い場を見て回ってるのかな?どうぞ。」


「あー⁉ こちらA!目標が二階でも男子トイレに入りました!」

「突入!突入!急げ、現場を目撃するのだ!」


「一階でも手洗い場とトイレを見て回ってるね。どうぞ。」

「うん。どうぞ。」

「…これが委員会なのかな?」


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


結局すべての階の手洗い場と男子トイレを回り、何かを確認していたみたいだけど、何をしているのか、委員会が何なのかはわからなかった。委員会は関係なかったのかも、と思いもう声をかけてしまおうかとふたりが近づいていったとき、これまでとは違う場所に向かっていく弟月くん。隠れて見守るふたりに気が付く様子もない弟月くんが入って行ったその先は、保健室だった。

「保健室、だと…」

「保健室といえば、エロい女医みたいな先生がいるのが定番!」

「弟月くんが大人の魅力にメロメロにされちゃうじゃん⁉ どうぞ。」

「どうぞはもういい!突入!突入!」


「まって弟月くん!そんな先生よりお姉さんの方が若くてピチピチだから!」

「そうだよ!おばさんよりJKにしときなよ!」

勢いよくドアを開けて保健室に飛び込んだふたりが見たものは…


「…え?え?び、びっくりしたぁ。」驚いて椅子から転げ落ちている弟月くんだけだった。

「あれ?エロい女医先生は?」

「姉帯さん?ちょっと何言ってるかわかんないかな。」

「いや、弟月くんを保健室に連れ込んでいやらしいことをしてる悪女がね。」

「新妻さんもどうしたの?妄想?」


~事情説明中~


「え、じゃあ弟月くんを誘惑する悪い先生はいないの?」

「いないよ。ふたりの妄想だよ。」

「安心したよ。弟月くんの純潔は守られたんだね。」

「純潔とか言わないで、ていうか委員会はぼくと先輩のふたりだけだから。」

「弟月くんと…」

「先輩?」

「うん。そろそろ先輩も あ、来た!先輩!お疲れ様です!」


弟月くんの嬉しそうな声と表情に嫌な予感を感じて視線の先を見る。そこでふたりが見たものとは⁉

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