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そういえば


誘惑の多いゴミ拾いを終えてから数日後の放課後。あの日は結局、怒り狂った姉帯さんの機嫌をとるため、姉帯さんだけに、ご褒美のパフェをあーんで食べさせてあげた。その甲斐あって、帰る頃にはすっかりご機嫌になっていた姉帯さん。対して新妻さんは泣く泣くあーんを諦めていた。血涙でも流しそうな表情をしていて、本当に流し始めたらと心配になったほどだ。

最近はいつもふたりと一緒に帰っているが、今日は委員会の日。帰りのホームルームが終わってすぐに準備を済ませて教室を出る。委員会はぼくが学校で楽しみにしている時間の一つだ。姉帯さん、新妻さんと友達になった今は毎日を楽しく過ごせているが、友達がいなかったころは委員会が心の支えでした。友達ができた今でも楽しみにしていることに変わりはない。まぁ、別に仕事熱心なわけじゃなくて、単に先輩と話ができるからなんだけどね。こうして一人、教室を離れていくぼくを怪しい影が二つ、後ろから付いてくることを、この時のぼくはまだ知らなかった。


「いくよ、明日香。あんた、でかいんだらか見つからないように気を付けてよ。」

「失礼だね、結。 結こそ目立つ髪の色してんだから気を付けてよ。」

「髪の色はお互い様でしょ。」

「弟月くん、順調に進んでおります。今日こそは弟月くんの委員会の謎を掴むよ!」


~数日前~~~~~~~~~~~~

「そういえばさ、弟月くんって時々いなくなるけど、どこに行ってるのかな?」

「なんですかぁ結ちゃん。弟月くんとちょっとでも離れちゃうと寂しいのかなぁ?」

「うん。寂しい。」

「あ、はい。そうだね。」

「で、明日香はどこに行ってるか知ってる?」

「たぶんだけど、委員会?だと思うよ。」

「委員会?あ~確かに、前に聞いたことあったかも。何の委員会だっけ?」

「いや、そこまで聞いたことない。なんかすごい楽しみらしいけど。」

「楽しみ?委員会が? なんか変じゃない?」

「結? 何が変なの?」

「だって、弟月くんウチらと一緒にいるの好きでしょ?」

「え、結ちゃん。すごい自信。」

「そのウチらを置いてまで行く委員会って、それは…。」

「…はっ⁉ まさか!」

「そう。  女⁉」

「な、なんだってー⁉ お姉さんというものがありがながら、悔しいです!」

「確証はないけどね。」

「こうなったら、やるしかない。」

「そうね。やるしかないね。」


「尾行だ!」×2


~~~~~~~~~~~~~~~~~~


「いったい弟月くんをたぶらかしてるのは、どんな女なのか。」

「それを突き止めるための尾行だよ、バレないようにね明日香。」

「わかってる。どんな女か突き止めたら事故に見せかけて…」

「おい。」


直接弟月くんに聞く勇気はないふたりだった。

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