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 めざまし時計が鳴る少し前、これが「私」がいつも目を覚ます時間だ。意識を取り戻してからも、まだ寝ていたいという欲望が襲ってくるが、このまま負けてしまう訳にもいかない。理性を振り絞って目を開くと、暖かい朝日が窓から射し込んでいた。それと同時にめざましが鳴る。


 「疲れた…」


 さわやかな朝とは裏腹に、テンションはどん底だ。体を起こしたものの何をする気も起きず、ただただベッドに座る。こうしている間にも時は無情に過ぎていく。気がつくと準備を始めなければならない時間になっていた。


 ベッドから立ち上がってキッチンへ行き、食パンをトースターにいれる。焼けるまでの間に顔を洗って髭をそり、焼けたトーストにジャムを塗って口に放り込む。前日にキレイにアイロンがけしたシャツの袖に腕を通し、スーツを着てネクタイをしめる。最初の頃は慣れなかったこれらの準備も、今では目をつぶってでも出来るようになってしまった。寝る前に念入りに中身を確認した鞄をつかみ、革靴を履いて重いドアを押し開ける。


 「行ってきます………」


 誰に向けるとでもなく口をついて出たこの一言が、廊下にむなしく響いた。

          ーバタンっー

初めて書きました!

読んで頂けたなら幸いですが、お目汚し失礼しました。

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