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笑顔でいたい

作者: リア

あと1時間で、主人が帰ってくる。

夕飯は鶏レバーの煮込み、ポテトサラダ、お味噌汁にしらす入りご飯、もずくのサラダ。

後は洗濯物を片付けて、お風呂の用意をしておけば大丈夫。


「にこっ」


口に出して鏡を見て笑顔を作る。

今日初めての笑顔。


「にこり」


もっと大きく口をあけて。

もっと目じりを優しくさげて。


「にっこり」


うん、大丈夫。

今日もちゃんと笑えてる。




男は敷居を跨げば七人の敵あり。昔の人がそう言っていた。

でも女だって家の外に出たらそれなりに敵がいる。

一応私だってフルタイムで働いているから、それなりに戦っている。

でも、私より遥かに沢山の物事を背負い戦っている貴方を知っている。


毎日必ずなんて、そこまで出来た妻じゃない。

愚痴が口から零れる事なんてざらにある。

それでも、出来る限り。


「お帰りなさい、お疲れ様」


家に帰ってくる貴方を迎える時は、笑顔でいたい。

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― 新着の感想 ―
[良い点] ∀;*)素敵!!その以上の言葉がでないくらいにその言葉が濃い読了感とともに脳内で満たされていきました。短い作品の筈なのに、すごいっすね!! [気になる点] A・)戦われていますね。それが凄…
[一言] すごいなぁー、の一言です。 笑顔で迎えてあげたいと思える以上の愛は無いですね
[良い点] 作者様の家族への心配りに心が温かくなりました。 [一言] 家庭は温かで穏やかで、家族それぞれにとっての「逃げ場所」であってほしいなと思います。
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