隠密のビトレイアー
計画は大詰め。
後この生活が2週間半となり、明日には執行されるだろう。
だったのだが一つ番狂わせがあった。
裏切り者----というよりは信頼故の過信のためによる私の不注意...
執行対象が早退したことによりより目立った今日。それにより明るみに出る裏切り者。
しかもそれがグループ内の1人であることとは予想だにしなかっただろう。
残念ながら私は魔法が使える訳でなく空を飛べるわけでもない。
無意識になったり、心が読めたりするわけでもない。奇跡を起こすなんて無理難題だ。
そう普通の人。普通の学生。異常な生活。それは裏切り者含め全て一緒の筈だ。
一番大事なことは未来を消すこと。つまり不祥事を起こさせること。
私はよく架空世界に浸るのだが、現実世界に浸ることも大事である。
現実世界...架空よりもずっと単純で、ずっと正直で、ずっと理解しがたい世界。
例えば小さなことから積み上げていこう。
未だ中学生なので学校に携帯を持ちこんではいけない。ゲームなんて尚更だ。
そこだよ。常識に囚われているのだ。
裏切り者はグループ内の1人だ。
席も近くよく授業中に携帯をつついているのが分かる。
裏切り者には裏切りで答えなければならない。
今の私にとって「偽善者」という言葉ほど合わないものはない。
全てを押収させ、未来を潰す。私の未来でさえ潰されたんだ。それぐらいいいでしょう?
勿論こんな小さな事じゃ潰せるはずが無い。情報通を有効に使う必要がある。
想像するだけでも楽しいのだ。
落ちこぼれが落ちこぼれに堕される。底辺争いなのかもしれない。
それでも純粋に誓った人への最善の謝罪...
私がするのは断罪と赦しを乞うことみたいだ。




