出会い
ある一人の男が茶店でお茶をすすっているその男は黒い着物に羽織を纏い腰には見るからに上等な刀を下げていた すると、茶店の娘が話しかけてきた。
「お役人様ですか?」
すると男は丁寧に返した
「ええ、幕府の命で北の地に行かなくてはならないのてす」
「それは、大変そうですね、でもいったいそんな所まで何しにいかれるんです」
「それが、私も聞かされていないのですただいけばわかるとだけとしか」
「へんな話ですね」
「まったくです」
そんな話をしていると茶店の娘がいきなり何かを思い出したように突然
「お侍さん知ってますか?」
「何をです」
「でるんですよ 〜そこの橋に」
「な、なにがですか?」
娘は少し間をおくと少し低い声で話し初めた。
「この前、あるお役人が夜、橋の前を通りかかったときのことです、橋の上に真っ白な人影がこちらを赤く光る目でにらんでたとか、そのお侍は恐怖で三日間寝込んでしまったそうです」
思わず持っていた湯飲みを落としてお茶を着物にぶちまけてしまった。
「あっ あっつ、」
娘はそれを見て大笑いした思わぬことに驚いたとはいえ我ながらとてつもなく恥ずかしいところを見られてしまった。
男はその晩町を出ようとれいの橋まで来た昼間の茶屋の娘の言ったことが気になったがどうせ見間違いに違いないと自分に言い聞かせて橋を渡ったちょうど橋の真ん中に差し掛かった時だった背後に人の気配がすることに気ずく振り向きたくないしかし、好奇心というものにはかなわないそして後ろを振り向く、そこには赤い目をした白い人影....
「でっ、でたー」
あまりの恐怖に腰を抜かして目を閉じた(もうだめだ....)ひどく青ざめた顔で男は言った。
「頼む命だけは助けてくれ俺はまだ死にたくない!」
男は覚悟したここで死ぬのだとしかし......
「ぷっははははははは〜」
なにやら少女の笑い声がする?
「おいおい、かんべんしてくれわっちゃ幽霊なんぞじゃありんせん足もこのとおりありんす、ほれ目をあけてみてみよ!」
恐る恐るゆっくり目を開けたそして目に飛び込んで来たものは...
次回「旅立ち」