タントの町で4
「バカなの」
「ごめんなさい」
外にいくと告げた瞬間正座させられた。
「いやあなたが死にたがりなのは知ってるけど」
「いえ死にたくないです、はい」
「なら武器だけでどうやって外にいくのよ」
「ごめんなさい」
そう思ったのだが俺は武器と服しか買っておらず外で過ごすための道具は買っていなかった。
「なにあなた常識ないの、これまでどうやって生きてきたのよ」
「どうやってと言われましても」
普通に平和な町でのんびり過ごしていたなんて言えるわけがない。
「ああ、記憶喪失だったわね」
「はい」
「なら仕方ないわね…………………………………………………………というとでも思った」
「いいえ」
「あなた何者」
「何者と言われましても」
「ある程度の知性、反対に欠けまくっている常識、無駄に度胸があるのに、そういうやつに特有な粗暴さもない、あなたなんなの」
「いやぁ」
悩む、ここは自分の事を話していいのだろうが、話してしまって厄介なことに巻き込まれないだろうか、だが話さなければ疑いの目を向けられたままになる、そうなると知識の獲得できなくなるだろう。
「話す気がないなら」
そう言って銃を向けてくる。
「ちゃんとボディチェックしないからこうなるのよ」
「……………はぁ、これから話すことは真実を話してる、ついでに質問は後で俺も混乱してるんだ」
「そうなら話なさいよ」
「なら」
そう言って話始める、昨日1日の話を。
「頭大丈夫なの」
「そう言ってくると思ったよ、知ってたよくそっ」
昨日の話が終わるとそう言われる、まぁ逆でもそう言う反応を取るのでそこまで本気では怒ってはいない。
「けどそれが真実だとしたらあなた度胸ありすぎよ」
「失敗すればどうやったって死ぬだけだったし」
「でなにか役立ちそうな事覚えてないの、どこどこに何があるって知ってたりしないの」
「ある程度はわかるけどさ、ここどこさ。言葉通じてるけど日本なの、ついでに言うと役に立たない可能性の方が高いと思う」
「日本だけど、役に立たない可能性ってなんでよ」
「俺の記憶じゃ日本で武器はそんなに流通してないし、記憶の中では戦争もなかった、紛争はあったけど」
「それで」
「だから記憶の地図とここの地図が同じかどうかわからない」
「なら同じかどうか確かめにいきましょうよ」