新士官認定試験任務前前日
ネヅに酒を注がれながら話を聞くことになるのだが、宿のおっさんのようすがおかしい。なんだか乙女みたくそわそわしてるのだ。
「おっ」
「おまっ、やっぱりネヅ隊長と知り合いなのか」
「知り合いも何も命の恩人といっても」
「そうだなそれにジエイ軍期待の協力者でもある、うちの主任もいってたぞ」
「主任ってまさかヤマグチ主任」
「まぁあいつもこいつに期待してるな」
「えっと」
ヤマグチと言われるが誰だか思い浮かばない。
「おいおい、ウエダ、ダイゴの町最高のネヅグチコンビだぞ、知らないで助けられたのかよ」
「ごめん、そんな有名だったのか」
「そんなつもりはないんだがな」
「はぁいいか本人の前で気恥ずかしいが、ネヅグチコンビは主に対抗できる大砲つきの車をこの町にもたらしたんだぞ」
「はは、そんなこともあったが今動くのは装甲を減らしたレプリカだけだ」
戦車があるらしい、動かないようだが。たぶんだが重油を燃料にしているのだろう。その辺りの情報は後回しにして、まずは仕事の話だ。
「で仕事って」
「そうだな、仕事は新士官試験に使うための人手と車を貸して欲しい」
「へっ、まぁちょっとうちの事務担当呼んでくるよ」
「安心しろもう呼びにいかせた」
そこにマーニャが入ってくる。
「ウエダ仕事の依頼って」
「今聞かされたとこ」
「そっ、あっ私には安い水を」
「はいよ」
マーニャも席につきネヅの隣に他の兵士が座り仕事の内容を聞くこととなった。
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「話は単純だ士官試験のために人手と車を借りたい」
「仕事の内容と料金、それに危険度を知りたいのだけど」
「おい」
「はっ、私はヤサカともうします。今回はこの」
1枚の紙を出す、地図だが、マーニャのかいた地図とは月とスッポンだ。どちらかと言えば、俺が書いた簡易地図に近い。
「ルートで彼らを運んで貰います」
「無理よ、外でさまよえって言うの」
「ですよね、こちらが正規の地図になります、このルートで行動してください」
今度はまともな地図だが、そこには。
「襲撃予定地だって」
「ええ詳しく説明させていただきます。
今回の試験は筆記と実技に分けられます、そしてあなた方に依頼したいのは実技の方です。実技では筆記の際書いた地図を元に行動させますそしてそこで起こりうるすべての現象に対処するのですが、基本的には敵の襲撃です」
「それで俺たちを襲う予定か」
「ええ、なのであなた方には守秘義務と負傷にたいしての誓約書を書いて頂きます」
「何があっても黙ってろってことか」
「そうですね、その代わりといってもなんですが報酬は破格にさせていただきます」
「ああ、新タバコ1ダース出せる、1日の仕事としては破格だが不正があった場合は」
「なしだろ」
「そうだ」
マーニャと相談する。
「どうする」
「どうするもこうするも破格よ、むしろ怪しくなるくらいのね」
というわけで相談を終え、向き合いなおす。
「破格すぎるんだが、なにかあるのか」
「それは、その」
「問題路ばかりの班だからな、謝罪料込みだ」
「なるほどな、出発は」
「あさってになるな」
ならば即決する必要があり、覚悟はもう決めてある。
「なら参加しよう」
「ウエダ」
「その代わり緊急事態に備えうちからは2人出すぞ」
「それなら」
「それくらいなら構わないさ、じゃあよろしく頼む」




