表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/102

タントの町で1

 タント、タントの町は小さい町であり、名物は水のみと言うありきたりな町とのことだ。町は壁に囲われた四角形をしており、その中央に井戸、井戸から4方に道が出て、北東に宿、南東にギルド、南西に店、北西に高級住宅街が並んでいる。そしてそれらから道1本挟み様々な家や店が立ち並ぶ、住宅街が広がる。

「と言うわけでアーニャはこいつのお守りだ」

「えぇー」

「えぇーじゃねえだろ、お前死んでんだぞ」

「そうだぞ、武器なしの男に後ろとられてんじゃねえか」

「はっせっかくの俺たちの訓練が無駄になりかけたぜ」

「じゃあな」

「アーニャ頑張って」

 そう口々にアーニャは見送られ、そして俺たちはタントの町直前で下ろされた。と言っても時はもうすでに夕方早く町に入ってゆっくり休みたい、もしかしたらこれは夢かもしれないと思いながら、アーニャの方をみる。彼女の服装は変わっていて黄土色のつなぎを着ている、多分ギリースーツを脱いだだけなのだが。

「はぁ、ほら行くわよ歩き方まで忘れたわけないでしょ」

「はい」

「何でこんなやつに」

 そのためにアーニャの方は文句をいいながら町の方へと歩く。


 10分ほど歩いただろうか、すぐに町が見えてくる町は壁に囲まれている上に銃、多分AKを構えた警備兵がいる。

「止まれ」

 そういわれ足を止める。

「傭兵組織のものよ」

「確認した、でそっちのは」

「拾い物」

「そうか、で所属は」

 足を止めた兵のひとりとアーニャが話したかと思うと、アーニャは首のドッグタグをみせ、話がこっちに回ってくる。

「所属は、えっと」

「どうした」

「なし」

「そうか、なら少しチェックをさせてもらうぞ」

 服の上から体を触られる。

「怪しいものはなし、通っていいぞ」

「ほら行くわよ」

 通っていいと言われ、アーニャについて行く。と入った町は埃っぽく、ごちゃごちゃとした町だった。

「ひとまず宿をとる、金は」

「えっとこれだけ」

 そう言ってタバコをみせる。

「新箱2つか、安宿にしましょう」

 そう言ってアーニャは迷いなく進んでいいく、これで人通りが多ければ即迷子のようにためらいなく進んで行くが今の時間帯のせいか、そもそもの人数がいないのか知らないが人通りはほぼなく迷わずに追いかけていく。

「それで名前なんていったっけ」

「ウエダね」

「うんで、アーニャさん」

「何よ」

「どこに行くの」

「どこに行きたいかあなたが決めなさいよ、私が団長に伝えられたのはそれだけだから」

「ならさ、せめて武器と服、それと宿くらいかな」

「わかったわよ、めんどくさいわね」

 すごくめんどくさがられている、仕方ないのはわかるのでなにも言わない。

「持ち物は」

「タバコが2箱」

「まあそれだけあれば安い装備一式揃って宿もとまれるわね、ならいきましょう早くいかないと日が暮れる」

 そう言って早足で歩き始める。

「日が暮れるとどうなるのさ」

「明かり代がかかる」

 単純な意見だ、無駄に電気自動車はあるのに明かりには金がかかるらしい。それならそれでと諦める。

「ここが安い店よ」

「よう、アーニャ噂の傭兵集団がこんなボロい店になんのようだよ」

「うっさいわね、後ろ取られなけば」

「おいおい後ろ取られてんのかよ、バカじゃねぇの」

「うっさい」

 着いた店は武器屋のようで多くの銃器ならびに服なんかが売っている。

「でこいつが後ろとったのか」

「しかも装備もなしでよ、金属の擦れ音があれば私だって」

「ってことはこいつ装備捨てて後ろを、無茶苦茶すぎんだろ」

「それがこいつ装備持ってないのよ」

「そんなやつに後ろ取られるなんてな、ぷっ」

「笑うなっ」

「で噂のルーキーなにか気に入ったもんはあるか、売買は安くしないがカスタムと整備は全部負けてやるよ、何せアーニャの後ろを取ったんだからな」

「そうですか」

「アーニャつけな」

「はっ、ふざけないでよ」

「なら団長に請求するか」

「それだけは」

 店長と遊んであるアーニャをほっといて装備をみる。この店はカウンター越しに見るタイプの店で遠目からしか見られないが値段はそれなりで服を買ったら拳銃くらいしか買えない。

「ならえっとあの服とM19の4inchを」

「おっあれか」

 そう言って手に取ったのは迷彩服にボディプレート、ブーツが付いた品で拡張性が高くそこら中に物を引っかけられるようになっている。ただ色だけは黒を基調としているために日中は目立ちそうだ。

「サイズは後で手直ししてやるよ、で拳銃はこれでいいな」

 渡されたのはリボルバー、よく警官が撃っているイメージがある拳銃だ。この選択は砂が多く整備する余裕がなく詰まりやすくなっても比較的撃てるようにと言う判断だ。

「そんで料金は」

「これで」

 そう言ってタバコ一箱をみせる。

「それか………………まあいいだろこいつの面白話も聞かせてくれたしな」

 そう言ってタバコを渡し、って。

「弾は」

「ちっ、そっちもつけてやるよ」

「さすが悪どい商人ね」

「うっせぇ後ろも見れないガキが」

「へっなんとでも言いなさいよ」

 装備を調達できた、後は宿と一番楽しみかつ怖い食事だ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ