コモリの町5
出ていくとは言った、それはいいのだがさすがに食料などを得る手段がなくさまようのは自殺行為だ。だからスミスを探す。
「と言うわけできてみたんだが」
「どうしましたかウエダさん」
スミスはすぐに見つかった、昨日まで話をしていた建物で待っていたのだ。
「いやちょっと探してたんだ」
「私をですか」
「ああ、この辺りの地図がましい」
「地図ですか」
スミスの目付きが鋭くなる。
「ああ地図だ、なにも正確なものじゃなくていいどっちの方角に何があるか何となくわかる程度でいいんだ」
「そうですが、何のために」
「出ていこうと思ってる」
正直に答える、嘘をついても仕方ない。もしかすると情報のために止められるかもしれないが、その時はその時だろうと考えていたが。
「そうですか、ならこの町から出ていく際に手書きの地図でも用意しましょう」
あっさりと許可された。
「いいのか」
「ええ構いませんよ、あなたから頂いた情報の整理もありますし、あなたに今聞くことはないので」
「そうか」
「で出立はいつ頃でしょうか」
いつ頃かと聞かれるが。
「仲間の怪我もあるし、仲間と決める」
「わかりました、ではまた会うことがあれば」
そう言ってスミスは去っていった、かなりあっさりだった。
「ウエダっ、ここにいた」
そのスミスが去るのと同時にアーニャが入ってくる。
「良かったウエダも無事…………無事よね、当たり前よ当たり前」
こっちを見て安心すると同時にツンデレっぽい感じになる。正直実物を見るのは驚いたのか、体が反応を示さない。
「ウエダマーニャねぇから聞いたんだけど、出ていくんですって」
「そのつもりだけど」
「ならさっさと行きましょう、マーニャねぇも元気になったし」
「まあそれはいいんだけどいく方向決めてからに」
「ならウエダが言う物資があるとされている南に行きましょう」
「いやそんなのりで決められても、まぁマーニャさんにも聞いてから考えようよ」




