廃墟にて2
「ふぅ」
人がいた。階段を上っていくなかで灯りがついている階があり、その階を探ると人がいるのだ。そろそろと中の様子をうかがう。
「何でこんな依頼に私まで、どうせレイダーなんて団長たちだけで」
中には確か大型狙撃銃のバレットを構えうつ伏せになってる人がいた。声からすると女性だが、姿はギリースーツと呼ばれている服の亜種なのかよくわからないが砂の色に合わせるような黄土色の塊がそこにはいた。彼女の言葉から判断するに、彼女達は依頼によってここに来たらしい。要するに依頼を出したり受けたりするだけの文面があったり人がいたりするらしいことと、銃をためらいなく使っているのでそれを整備する能力があること、そして。食料があることだ、目の前の黄土色の塊はよく見たことのある袋、あれはポテトチップスだろうかを食べているのだ。あれが高級品なのかどうなのかわからないがそれは食べ物だ。高級品といったのは世紀末前の遺物とかだったりしたらに備えてだ、他の食べ物は虫とかだったりするかもしれないが確実に食べられそうなものはある。それだけが救いだった。そこまでわかれば後はやることは単純だ、彼女だと思われる人をどうにかして文明がありそうな所まで行く、それだけだそれは単純なことであり、かなり難しいことでもある。彼女は外の警戒を行っていてこっちを見ていない、だが彼女までは25mもないが少し距離があること、戦闘中のためばれたらぶっぱなされる可能性があることがあるがそれで見逃せばどっち道俺は死ぬ。だから行くしかない、とその前に覚悟はしたが今回の場合は彼女を殺す気はない、女性だからとか声がかわいいからとかではなく、団長がどうこうなので多分彼女の味方が来ている、それとやりあう気は全くない。だからコンクリート片を静かにおきなにかないかと探すとすぐに見つかる、ボロボロになった鉄片だ、と言っても5cm程だがこれは使えそうだ。先が鋭い訳でもないので変に傷つけてしまうことはないだろう、後は罠が仕掛けられていないことを信じ前へと進む。
「はぁそろそろ終わりそう」
「そっちの方がいいよなぁ」
「だよっ」
鉄片を後頭部に押し付ける。
「動くなっ」
「だれっ」
「だれでもいい黙れ、じゃないと殺すぞ」
「なら殺しなさいよ、私を殺したら団長が」
「それならそのライフルで団長たちと戦闘だ、ここはちょうどいい狙撃ポイントだしな」
勝てる気はしないが強気で攻める。
「っ」
「それが嫌なら銃を出せ、おっと両手は見せたままだ」
「ならどうやって取れって言うの」
「持ってるんだな」
「っ」
「まぁいいか両手を見せたままその団長の元へと案内してもらおうか」