主2
ありいや主に追われタントの町を疾走する。主は1匹だけではなく多数いるようでそこら中から悲鳴が聞こえる。
「こう言うことはよくあるのっ」
「あるわけないじゃん、人なんか避けないで」
「事故ったら下手したらこっちが止まる」
アクセルを踏み込むが、そこら中にいる人や障害物を避けるのであまり速度がでない。
「むしろ武器で何とかしてくれよっ」
「あいつらに銃弾なんかほとんどいみないのよっ、しかもそれなのにやたら多くいるから主なんて呼ばれてるのっ」
「ロケットランチャーとかグレネードランチャーとかはないのかよっ」
「そんな高価なものあるわけないじゃないっ」
お互いに叫び合う、爆音が激しいからだ。
「じゃこの爆発音なんだよっ」
「金持ってるのもいるにはいるのっ」
「そうなのかよっ」
ならそこに突っ込めば、と思ったが俺なら引き付けて軽トラごと主を爆死させる、1匹倒すのにどれだけ弾を使うかわからないが、少しは少なくなるからだ。それにアーニャも気づいているのか外に逃げろと言うのだ。軽トラが動く今なら速度で逃げられる。
「外に逃げるぞっ」
だから外に出るために大通りに出る。南北に延びる通路で南門が開いているようだ。
「ウエダあっちが」
「わかってるよっ」
南門に向けてハンドルを切ると、アクセルをべた踏みする。主が集まってきている、爆発音が少なくなっていく。あまり考えたくはないが抵抗できる人が減ってきているのかもしれない。無力だとか俺に力があればとか思う以前に逃げなければと言う思いが頭を占める。アクセルを踏み込む。主が進路を妨害しようとするが、その隙間をすり抜けるかのようにハンドルを操作する。そして。ついに。
「そとだっ」




