廃墟にて1
都市へとたどり着いた、たどり着いたのはいいのだが。
「うわぁ、本当に世紀末と言うか滅んでるなぁ」
たどり着いた都市はガラスが割れ、錆び付き、崩れかけているという荒れようだ。
「なんがあったんだか、と言うかそもそも何か残ってるのか」
そうなのだここにたどり着いたのは、生き残るのに必要なものを得るためだ。それを得られなければ後は野たれ死ぬだけなのだが、その心配はなさそうだ。声と嫌なことに銃声がするのだ。銃声がすると言うことは人がいてその上で奪い合うだけの物資があるのだ。なくても死体から武器の1つでも奪えれば使える使えないはおいといて手札をひとつ増やすことができる。それだけでも確認したいからその銃声がするところを目指し、こそこそと移動する。
「それにこんな感じだと襲われている女の子を助けたりしてやればいい感じになれるよな」
そう命を得るのも大事だが、そういった楽しみもなければやってやれない。そのために必要なのは武器と覚悟だが、武器はないので覚悟、それも命を奪う覚悟だ。こんな世界にいるのだ夢であれ現実であれ、覚悟だけはしておいた方がいい。そんな判断をしながら近くにあるビルに入っていく。
「うわぁ」
ビルの中は色々と崩れかけていたが、階段はあるし何よりエレベーターの電気がついている。要はこのビルには電気が通っているのだ。様子に誰かいる、その誰かが敵か味方かはわからないが多分誰かいる、いるはずだ、と言うかいないと困る。
「よし」
そこまでわかれば後は上るだけだ、そこら辺に落ちていた手頃な多分コンクリート片を持ち階段で上に上っていく。