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初収入

「というだけでこれだけ」

「これだけってAKが9丁と弾が幾ばくか」

「仕方ないじゃない、死体漁りするなら直後じゃないと全部なくなるんだから」

「それはそうだけどはぁ」

 タントの町に戻ってきて回収したAK9丁を武器屋に手渡す。手渡すのだがあまり顔色はよくない。

「整備状態は最悪だし、売り物になるか怪しいぞこいつは」

「けど撃てるわよ」

「だがよ、こいつに命預けられんのかよ」

「無理ね」

「なら価値がないのは」

 価値がないなら無駄足どころか、ただの出費でしかない。それはなんとも避けたい。だから。

「あの」

「なんだよ」

「それに上乗せしてマーニャさんを遊びに誘う権利ものせられないかと」

「「はぁっ」」

 驚かれる。だから畳み掛ける。

「いえなにも高額請求するわけではなく、適正価格程度でいいので買取りしてほしいんですよ」

「………………で」

「ってウエダ何かってに決めてるのよ」

 乗り気のようだ。

「いえいえこちらにはアーニャがいるので、あなたがいきたいところに彼女に誘わせて来るのはあなたになるのですそしたら」

「…………………遊びに行ける」

「どうですか、誰も損しませんよ。それに文句を言われたら俺のせいにすればいいんですよ。どうですか利益をとりつつ、責任を他人に、そしてその他人には少し高く買い取ってやればいいだけ、なにもないものを買い取れと言う訳じゃないので懐がそれほど痛むわけもないですよ」

「私が損するじゃない」

「そうだな……………だがこの銃は……………………………………乗った」

「ありがとうございます」

 アーニャは無視する、交渉、というよりもある意味詐欺に引っ掻けるには畳み掛け思考を奪い、通常では考えないことを考えさせなければならない。だから基本的には1対1だ。これがもしこちらが多ければ威圧感を与えてしまい警戒されるし、逆に向こうが多ければ理性的に判断できる人が増える可能性がある。とこんなことを話したが、これは勝手な判断でさすがに実際に試すわけにはいかないし、向こうでは無害な学生なのだ、詐欺師なんてテレビで見るくらいだ。だが今回は引っ掛かってくれた、餌がよかったのか、崖から飛び落ちてくれた。さすがに本当には落とさないが。

「よしそれじゃあタバコ4.5箱だな」

「これって」

「適正価格だけどねぇ」

「それで」

 アーニャにはなにも言わせない、さっさと終わらしてこの場を後にしたい。

「よしじゃあこれな、約束忘れんなよ」

「ああ」

 銃を渡しタバコを受けとる、これが初収入だ。そしてここからがスタートなのだ。

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