砂漠2
「ゴホッゴホッ」
「ゴホッゴホッゴホッゴホッゴホッゴホッ」
口に砂が入り込む、口も開けない。目はゴーグルがあるから大丈夫なのだが前が見えないので意味はない。
「ゴホッ」
体はマントに包まっているが、砂が叩きつけられ痛い。要は砂嵐に巻き込まれたのだ。無駄話をしているなかで風が強くなったような気がして少ししたら嵐の中に飲まれていた。風に乗った砂が体を打ちすえ、風切り音が耳元でビュービューと鳴っている、要は絶望的に嵐のなかだ。アーニャが言うにはこの嵐は30分ほどで無くなると言うがそのようすはうかがえない。そんな中を足を動かして先に進むかと思いきや、足を止め身を縮こまらせている。巻き込まれる前に聞くと動けるわけがないとそういうものかと思ってはいたが納得だ、呼吸すらできない。マントにくるまり、今か今かと通りすぎるのを待つしかない。
「ゴホッゴホッ」
帰りたい、帰ってしまいたい。身体中を打ちすえる、砂の痛みでそう思う。だが帰れない、ここに来た理由もわからなければ、ここは剣と魔法のファンタジーではない、ただの崩壊した文明社会の進んだ先だ、帰る手段ない。ならば、ならばと誓う。帰る場所を得ると、帰る先を得ると。帰れるところを作ると。同じものは作れないかもしれない、それはわかりきっている。だからこれは夢だ、希望だ。それさえあれば戦える、戦えるはずだ。
「ゴホッゴホッ」
多分。叩かれる。
「ゴホッ」
上を指差す。そこには光が見える。
「ゴホッゴホッゴホッ」
それはきれいな光景だ、嵐が去ったのだ。




