砂漠1
道具をギリギリまで値切り買いそろえ、日が最も高いときにはもう町の外にいた。
「うわぁ」
「自分の分は自分で持ちなさいよ」
「いやいやよく歩けるよねこんな中を」
分かりきっていた事なのだが町の外は砂漠だった、そう砂漠なのだ。もしここが日本のしかも関東圏だとしたらどれだけの温暖化によってこんなになってしまったのだろうか、それとも例の攻撃によってすべてが砂になってしまったのだろうか。どちらにせよそんなことを考える暇があれば足を動かさなくてはならない。
「速くしないと赤字になるわよ」
「わかってるよ」
そう命の危機はまだ続いていた、道具を買いそろえるのに値切ったとはいえすっからかんかなのだ。しかもその道具にしても必要なものを最低限買いそろえたのでどれかを無くしたら仕事もできないし売っても二束三文の価値もない。そのために後がないのだ。
「それにしても暑いような涼しいような」
今日の天気は晴天かつ微風、太陽は暑いが風は心地よい。そして何よりじめじめしていないので汗をかかないのだ。いや水分のとらなすぎも考えたが、ちゃんと適正量はとっているので問題ないだろう。
「それにしても車がないと不便ね」
「そうだよね、借りられなかったの」
「そんなお金ないわよ、それに借りられたところで運転出来ないじゃない」
「へぇっ出来ないの、こんな砂漠だし道路交通法もないわけだから飛ばしちゃえばいいのに」
「ウエダあなた運転できるの」
「そりぁ免許取ったわけだし、まぁペーパードライバーだったけど」
「運転できるならそういいなさいよ」
「けどそんなに難しいのかアクセル踏むだけだろ」
「そうじゃないわ、たしかクラッチだったかを踏んで」
「なんだマニュアルか、まぁあれは練習しないと運転できないか」
主流はマニュアルらしい、と言うよりもほぼ使い道がなかったマニュアルの操作方法がこんなところで役に立つとは思わなかった。
「それなら働き口はあるわね」
「運転手かぁ」
そんな無駄話をしながら砂漠を進んでいく。




