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タントの町で5

 地図を見せてくれると言うのでついていく、日差しは強くかなり暑い。

「この暑さにもなれないとな」

「なにか言った」

「なんでもない」

 そのために軒下等にできる影の下を通るのだが同じような事を大勢考えるのでむしろ熱気がひどい。環境的にはじめじめと暑いではなくからからと暑いので風が吹けば暑さは和らぐのだが、そんなことを聞くと砂でひどいことになると言う話を聞いた。そのためのゴーグルも服に備え付けられている、と言うよりポケットに入っていた。

「ここね、ただいま」

 たどり着いたのは1軒のプレハブ、見た目はボロボロだが屋根の上には小さいソーラーパネル脇には樽などが置かれている建物だ。

「おかえりなさい、で死ね」

 それを確認していたら頭に銃を突きつけられる、建物の中からはアーニャに似た女性が銃を突きつけていた。両手をあげる。

「えっと」

「マーニャ姉ぇ、話があるからその銃下げてあげて」

「どうして、こいつはアーニャを殺そうとしたのよ」

「話したいことがあるのよ」

 銃が下ろされる、一息つく。とそこで気づいたのだが緊張して呼吸すら止まっていたようだったのだ。

「不振な動きをしたら殺す」

「はい」

 マーニャと呼ばれた女性を見る、見た目はアーニャと似ており、違うのは身長と胸くらいか。

「嫌らしい目をしてたから」

「してないから」

「そんなことはどうでもいいから、はいウエダ中に入って、でこれ」

 中に入ると大きな部屋を移動式のホワイトボードで区切ったような建物で、案内されたのはキッチン兼リビングだ。そこにある椅子に座ると手渡されたのはガイドブック、タイトルは「ワクワク関東圏温泉巡り」だそうだ。

「日本語だ」

 そう言って中身を見る、紙はボロボロになっていて慎重に扱わないと破れそうだ。

「アーニャそんなもの見せてどうするの」

「マーニャ姉ぇ、ちょっと見てて」

 中を見ていくのだが中身は大分違っていた。東京は一緒なのだが、北方面がチクラ、東がナチ、南と西がカマリとそれぞれ地名になっていった。

「異世界かよ」

「でウエダ何かわかりそう」

「無理だ、地名が変わってる」

「そうなんだ」

「けど」

 だが県名は変わり、県境すら変わっていても地形までは変わっていない。だから。

「この辺りに米軍、いやその名前すら違うかもしれないけど基地がある」

 そう言って一点を指差す。

「この辺りね」

「アーニャこいつはなにいってるの」

「こいつ昔の土地勘があるみたいだからそれの実験よ、でマーニャ姉ぇこの辺りに本当に基地あるの」

「知らないわよ、そう言ったことは団長が詳しいはずよ」

「わかった」

「けど団長は今依頼を受けて行動中で、帰ってくるのに1月位かかるかしら」

「えっ、ってことは1月こいつと一緒」

 そう言ってアーニャがこっちを指差す。

「そう言うと思って私がこいつを消そうと思ったんだけど」

「発想がひどいっ」

「マーニャ姉ぇこいつでも役に立ちそうなんだし穏便に、ねっ」

「アーニャがそう言うなら」

「でマーニャ姉ぇこいつ仕事探してるみたいだけどなにかないかな」

「…………何でこいつに仕事の紹介を」

「こいつの土地勘があってたら恩売れない」

「仕方ないわね、いつも行ってる武器屋に行ってきて、そこで私からって言えば仕事あるはずだから」

「ありがとうマーニャ姉ぇ」

「ありがとうございます」

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