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異世界学園いざなぎ高校園芸部  作者: 桂虫夜穴


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11/14

11、今度は私かーーっ⁉︎

( とにかく部室だ。

家に帰っても多分美咲の親が帰ってくる。

面倒な事にしかならん。

こっちの園芸部員に事情を説明して

何とか力になってももらうしか手は無さそうだ。

しかしウチの部員みたいに

変な感性を持ち合わせている奴らじゃなかったら

理解してもらうのは、相当困難を極めるぞ!)


七草は、なるべく他の生徒と目が合わないよう

顔を見られないようにと下を向いて歩いた。


( おっ!着いた。

いつもどおりの鉄の開き扉だ。

何も変わらん!

しかし、中にいるのは見知らぬ異世界の住人達だ。

緊張しか無いが、戸惑ってる暇はない!

ええーい!

当たって砕けろだ!)


ガラッ!


「おっ!美咲か!?」


男子の声が掛かった。


(やっぱりな、そう言う事だ!)



「いや、申し訳ないが私は春野七草と申す者だ。

訳あって、ここに参上仕った。」


「何時代の喋り方なんだ?」


「失礼仕った。私は時代劇マニア故

この様な話し方を致しておる。

まあ、そんな事は、どうでも良い。

もっと、大事な話があるであろう。

その美咲殿の話だ!」


途端に小柄な眼鏡女子が立ち上がった。


「まあ、何か、ご存じですの?

昨日から、行方が、わからなくて...

私達はもちろんですけど、

ご両親も心配されて警察の方に

捜索願いを出されましたのよ。」


(..だよな。

ウチの方も同じような事になるんだろうな。)


「それが中々、困った問題に

巻き込まれてしまってな。

それで美咲殿が我々の元に駆け込んできたんだ。

我々は、仲間内で何とか解決できないかと

思案しておったところだったのだが

今度は私の方が、同じ様な問題に直面してしまって

困り果てているところなんだ。

美咲殿と私が入れ替わってしまったと言う訳だ。」


「…と言う事は、あなたは…

異世界からいらっしゃったと言う事ですか?」


「えっ!展開、早過ぎでしょ!

お宅…もしかして部長さん?」



「あっ!ハイ!

部長の桂木君枝です!

でも、何故そう思ったのですか?

私が部長だと?」


「ああ、美咲殿がこちらの

「部長はシュッとしてる」

…って言うておったのだよ。

他の女子諸君は豊満な胸をお持ちの様だからな…..」


「まあ、美咲さんたら

アチラ様に伺ってまで私の事を

ペチャパイなどと触れ回っているのですか?」


「いや、部室の中だけの話だ。

彼女の存在は公には、なってないよ。

それにしても

何で、異世界にいきなり話が飛んだんだ。

どうやって説明しようか。

思い悩んでたんだよ。」


「えっ⁉︎ 」


部員が、みんな顔を見合わせた。


「本当何ですかーーっ⁉︎ 」


部長が驚いて叫んだ。


「私、ジョークのつもりで言ったのですけど…」


「部長!だから...

初めて会った人にいきなりジョークをぶちかまして

どーするんだよ!

そんなの理解できるかよ!

アンタの日頃を知らないんだから…」


(鋭いツッコミだ。

コイツがヨッシーの役割担当か?

しかし、ヨッシーと同じだ。

スッゲェー!イイ女っぷりだ!)


「そうだな。

部長も落ち着いて...とにかく、まず席に着こうか!

それからちゃんと話を聞こう。

えーっと、春野さん...だったかな?

君も、そこ...

空いてる席に座って下さい。どうぞ!」


(コイツが七海担当か...冷静な判断だ。

後は短亀ちゃんとチョン君担当...

何だ?コイツら全然雰囲気、似とらんな!

何か、生意気そうだし...)


二人は無関心そうにスマホを見ている。


「失礼しました。慌ててしまって...

改めて、私が、この演芸部の部長を承っております。

桂木君枝です。よろしくお願いします。

それで、美咲さんとは

どこでお会いになったのですか?」


「それが、昨日の朝。

いきなりウチの園芸部に殴り込み…じゃなかった...

訪れてな。

「アンタ達だれ!ここはどこ?」

…などと、疑問符を垂れ流しだ挙句。

絶望しおったので...

心配するな。私らも力になるからと勇気付けて

私が一泊自宅に泊めてやったのだ。

そして目が覚めたら、あ~ら不思議。

今度は私が代わりにこっちの世界に来てしまった。

…と言う訳だ。

信じるか信じないかは.....あなたしだいです!」


(決まった!完璧だ。)


「うーん。誘拐とか拉致とか

その手の犯罪に巻き込まれた訳じゃなさそうだな。」


(アララ…素通りか…誰もツッコまんのか?

ナッシーとやら、頼むよー…)


「そうですね。あのー。念の為ですけど...

モニタリングとかドッキリ番組じゃないですよね!」


「当たり前だろうが!

いくら私がタレント並みにカワイイと言っても

ただの、ずぶの、ど素人だ。」


「ご自分で、カワイイっておっしゃるんですね?」


「誰も言ってくれんからな!

自分で言うしかないだろ...

ちょっと待て、この会話

いつか向こうでもやったぞ!

会話の流れやテンポは、似通ってるな。」


「それで、何故、美咲さんは

春野さん達のところへ伺ったのでしょうか?」


桂木部長の質問に七草が答えた。


「伺ったみたいな、感じじゃなかったよ。

当然、自分の部室だと思って扉をを開けたら

知らん人間ばかりだったって事だ。

その分、私は事前に分かってたから

この状況は想定内って事だ。」


「うーん。そうですか。

…と、言う事は向こうの世界にも演芸部があって

ここと、全く同じ部室があって

人物だけが違うと言う事なんですね。」


「パラレルワールドか?」


ナッシーの言葉に七海役が続いた。


「ハハッ!

漫画やアニメ映画の世界の話だとばかり…なぁ…

現実だとは、とうてい思えんが…

しかし、実際、起きているんだよな。

こうして美咲と春野さんが入れ替わっている。

いたずらでも何でもない。

現実の問題なんだ。」


「まあ、取り敢えず私も含めて

美咲殿も命に関わる様な心配は、今のところ無いが

帰る家もない状態だ。

自宅も、そのまんまだけど

家族も代わってるからな。どうしようもならんよ。

お金も小遣い銭しか持っとらんし昼飯代しかないよ。

困ったもんだ。」


七草の後に桂木部長が優しいが

しっかりした口調で七草に話しかけた。


「そうですか...

突然の事で、私どもも戸惑っている状況です。

すぐには何の手立てもありません。

しかも、今から、授業が始まりますので...

お昼休みにでもまた、お話し致しましょう

その間、春野さんは

ここで待機して下さっていて結構ですので

退屈でしょうけど、ゆっくりされて下さい。

ええーっと、後、冷蔵庫にお飲み物と

プリンなどのデザート菓子もございますから

遠慮なさらずにお召上がりください。

あっ、ここは先生達も滅多に参りませんので

その点は、ご心配なく。

では、失礼致します。」


「そう言う事だ。くつろいでくれ!」


七海役?が落ち着いた口調でそう言ってくれた。


「あ、ああ...かたじけない!」


部員がゾロゾロと部室を出て行った。





「ええーっ!ヤッバッ!

ヤバすぎでしょ!

これは、マジでヤバいよ!

私のキャパ超えてるでしょ!

たった、一人で乗り切れんよ!これは...

いつも、みんながいてくれたんだよ!

それで、何でも解決してきたんだよ。

結局、私だけじゃ何も、できんと言う事か...

ハァ~..情けなぁ…」


こう言う時は

部長のスペシャルミルクティーなんだよ!

それで、心を落ち着かせてきた。

取り敢えずなんて軽い気持ちで飲んでたけど

頂いてたんだよ。


気がついたら、目の前のテーブルに

それが、用意されていた。

まるで自動で、そこに用意されたみたいに...


そんな事ある訳ないだろ!

部長が部員の顔色...表情...気分に合わせて

事前に用意を始めて、丁寧に作って

ベストのタイミングで

目の前に出してくれてたんだ。


「ありがとう!」

軽い言葉で感謝をしめしても

目線は、いつもスマホに向かっていた。

ちゃんと部長の目を見て

ちゃんと向き合って

感謝しなくちゃいけなかったんだ。


今度は、そうするから...

部長..

いつも、美味しい紅茶ありがとう...ございます。


いや...ありがとうございました...

...に、なりかねんな。

 

私が、過去の人になってしまうかもしれん!



続く

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