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異世界学園いざなぎ高校園芸部  作者: 桂虫夜穴


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1/13

1、悪役令嬢と呼ぶなかれ!

早朝の園芸部室。


「ヨッシーー!これって何なんだ?」


「何だ…見せてみろよ!」


「ホレッ!」


七草がヨッシーにスマホのアニメ動画を見せた。


「ああ、これか!

異世界モノだな。この世にあらぬモノ。

この世であらぬ場所。

あらぬ者達を描いた漫画や小説。

アニメなんかだな。

今や大きなながれ…潮流を成しているんだ。

需要と供給の関係性だな。

読者がそれを望んでいるから

作家も必然的に

そのジャンルを選ぶ事に繋がっているんだ。」


「何か、似てるようなキャラクターが出てくるけど

何なん?」


「そうだな。この異世界モノと言うのは

独特な世界観を持っていてな。

ジャンルとして共通で似通ったキャラクターを

登場させる事で

読者や視聴者は、その行動パターンや性格付けが

すぐに認識できるんだ。

作家達はそうやって異世界感を際立たせてるんだ。

このキャラ達が行動する事で

読者も異世界感をより感じて

この世界に没入できるんだ。」


「そうか…なるほど!

あっ、そうだ。

この悪役令嬢ってのは、何だ?」


「ああ、これな!

主人公の敵役だな。

主役のじゃまをしたり嫌がらせをする。

残念な役柄だ。

時には、横恋慕までして

主人公から読者までヤキモキイライラさせるのだが

彼女は大事な役割を担っている。

彼女のおかげで主人公は困難に立ち向かい

頑張るひたむきさが、際立つのだな。」


「それなら、私と部長の関係みたいじゃないか!

ひたむきに頑張る美少女と

それを妬み、嫌味ばかり言う部長!

これで決まりでしょ!」


「どこがやねん!

アンタのどこが、ひたむきなんだ!

ダラダラ、タラタラ!部室でノラクラ!

部長なんか生徒会に顧問との連絡

花壇の手入れに部室のかたずけ…

後、アンタの子守り。

ああ言う人をひたむきに頑張ってるって言うんだ!」


「ゲゲゲッ!なっ、何も言えん!

返す言葉を持ち合わせんよ!」


「図星だからだろ!」


「しかし、武家の末裔の悪役令嬢!

ピッタリだと思うんだがなぁ…」


「誰が、悪役令嬢ですか?」


「ワッ! ビックリしたぁ!

部長!いつ来た!

アンタ! その鋼鉄の扉を

音も無く開けるって人の為せる技じゃねーよ!」


「我が家では、扉、ドア、襖、格子戸、開戸。

全て静かに開け閉めする。

それが作法と教えら育ちました。

それは常識の範囲であると思われますが…」


「ダ、力、ラ!こんな重い鉄の開戸を

音も無く開ける事が常識の範囲な訳ねーだろっ!」


「ちょっとしたコツで

どなたでも出来るようになりますよ。」


「…んな訳ねーよ!」


「それより七草さん!」


「なっ、何だ⁉︎ 」



「悪役令嬢の件ですよ!

それは、私の事をおっしゃってるのですか!

そうだとしたら聞き捨てなりませんわね!

私が、その事を知らないとでも、お思いですか?

異世界モノに登場する。悪役令嬢…

私が、そのキャラに似通っていると

おっしゃっているのですね!」


「そうなんだよ!

ヨッシーが部長の事を

悪役令嬢呼ばわりにしてたから

私が叱責していたところなんだ!

あーっ!嘆かわしい…」


「ナ、ナクサッ!

アンタ!投げ飛ばしてやろーかぁ!」


「なげかわしい、と、なげとばし、か…

「なげ」しか、かかってないな。残念…」


「うっせーわっ!何が残念だ!

誤魔化すなっ!

アンタが言ったんだろーがっ

ミエミエの嘘をつくなよ!」


「そうですよ!嘘はいけませんよ!

それに私…悪役令嬢…別に嫌いではありませんよ。

彼女等はダークな美しさと

気高さを合わせ持っているのです。

時に嫉妬深く、ヤキモチを妬いたり

ある意味、人間臭さを持ち合わせていると

言えるかも知れません。

彼女等の存在が無ければ

主役の活躍も色褪せたものになりかねないのです。

ある意味…そのストーリーの引き立て役

縁の下の力持ち。

物語を盛り上げる重要な役目を担っているのです。

それは、この園芸部の私の役割とも

似通っていると思えるんです。

だから……悪役令嬢…

そんな彼女たちに共感できる部分があるんです。」


「語ってくれちゃったね。」


「ウフフッ!長々とすいません!

異世界モノ…大好きですから…つい…」


「また、ついかぁ!」


"ガラガラッ!ガッシャーン!"


「おはよーっ!」


「おはよー。じゃねーよ。

七海!アンタッ!

その扉をもう少し静かに開け閉めされんかね!

部長を見習いなよ。

そんな事じゃ。婿養子に入れてもらえんよ!

部長の家じゃ「音無しの構え」が

作法らしいじゃないか!」


「何だ、それ?」


「これだ!

ヨッシー!その他大勢キャラの事は

何て言うんだ?」


「ああ、それは、モブキャラかな…」


「そうか!七海はモブキャラだ!」


「それも、わからん!

どんなキャラなんだ?」


「アンタ何も知らんね!

無知過ぎる。ムチでぶっ叩いてやろうか!」


「なっ、何でだよ!ムチャクチャ過ぎるだろ!」


「異世界ストーリーの話をしてたんだよ!

モブキャラは目立たん脇役だ。

私の様な主役級美女と真逆で相反する…

キャラとも呼べん程の、チリかホコリ程の

ちっぽけな存在だ。」


「ナ、ナクサ…私、そんな事一言も言ってないよ!」


「そ、そうだよ!七草…オマエ、同じ部活仲間を

そこまで蔑んだ言い方してどうすんだ?

あんまりだろ…」


「そうですよ!酷すぎます。そんな言い方!

誰が何と言おうと七海君は

私にとってのヒーローです。王子様なんです!

そんな、ちっぽけな存在ではありません!

とっても大きくて力強くて…」


「後、太くて、長くて、固くて、ギンギンで…」


「そうそう、固くてギンギン…

七草さん!何をおっしゃってるんですか!

直ぐに、そちらの方向に誘導して私を困らせて!

また淫乱とか言いたいのでしょう!

その手には乗りませんよ!」


「残念!」


七草の言葉にヨッシーが応えた。


「残念じゃねーよ!

それにモブキャラも大事な役目を担ってるんだぞ!

アンタの大好きな時代劇の切られ役と同じだ。

彼等の殺陣の技術があってこそ

あの華麗で迫力ある剣術の映像が成立するんだ。

同じ役目がモブキャラだ。

彼等の存在があってこそ主役の活躍も引き立つんだ。

それは悪役令嬢の役割とも相対する。」


「だったら、やっぱり七海はモブキャラだ。

部長が悪役令嬢だろ。

似たモノ同士って事だ。」


「アララ!そうきたか!」


「それは、否定しづらいですね。

二人とも縁の下の力持ちに徹したいと思う気持ちは

同じですから…」


「確かに、それはそうだな。」


「納得しちゃったか!」


「これで、イイのだ!」


「アンタが言うな!」


「そだな!」



続く

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