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魔の増す間に  作者: 負けうさぎ
異世界生活の始まり

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27/50

25.報酬を受け取りました

徐々にブックマークしてくれてる人が増えてきて嬉しいです。

冒険者ギルドから飛んできた男を見ると頬に殴られたような後があったので殴り飛ばされたのは間違いないだろう。

その光景にも殴り飛ばれてきた男にも妙に見覚えあるなと思いながら冒険者ギルドに入るとギルドマスターが仁王立ちしていた。


「なんか今男が飛んできたんですけどギルドマスターがやったんですか?」

「おぉ、来たか!あぁ、あれのことは気にしないでいい」

「そうです、あんな節度もない人はうちのギルドにはいりません!」


ギルドマスターから女の人の声がした!


いや違う、ギルドマスターのでかい図体に隠れているが後ろの受付嬢だ。

あの受付嬢はこの前の人だな。


ギルドマスターの後ろを覗けば俺が冒険者に登録しに来た時担当してくれた女の人だった。


「気にしなくていいったってさすがに気になるんだけど」

「これを無視して行くのはちょっと」


師匠もやはり気になるようで二人で抗議していると渋々と教えてくれる。


「いや、一昨日の事であいつが文句言ってきてな。挙句の果てにお前を倒せば俺のランクを上げろなんて言いだしてな」


一昨日のことと言われてもなんのことか分からない


「一昨日のことってなんですか?」


もしかしたら冒険者ギルドでは有名な事件が起こったのかもしれないが俺は一昨日に一瞬来ただけなので当然知らない。


しかしギルドマスターや後ろの受付嬢からはアホを見るような目で見られた。


「なんですか?」

「いや、一昨日お前がぶっ飛ばした男がいただろう。さっき飛んで言った男がそいつだ」


なるほど、ようやく話の意図がわかった。


つまり俺が男をぶっ飛ばしたおかげで飛び級してしまったため報復しようとした所をギルドマスターに殴られたのか。


しかしそんな呆れた目で見られても一回殴った程度の男の顔なんかいちいち覚えてられない。


「ま、まぁ覚えてないならしょうがない。どっちにしろもう終わった話だしな」

「終わったってどういうことですか?また起きたら騒ぎ出すんじゃないですか?」

「あいつは冒険者の資格を剥奪した。もう冒険者ギルドには足を入れられない」


なんと!

冒険者って資格を剥奪されることもあるのか!


「それはやりすぎなんじゃ?あの歳から仕事を見つけるなんて難しいんじゃないですか?」

「しかしな、あいつはお前にまた襲いかかろうと考えていたんだぞ?そんなやつの事なんか気にする必要ないだろ?」


それはそうだが、それであいつが仕事を見つけられず犯罪に手を染めて被害者が出た時は何となく後味が悪い。


「俺は気にしてないので今回だけ許してやってください。必要なら俺が後で話し合いに行きますので」

「うーん……わかった。しかし罰は必要だ、一週間程は依頼を受けさせないこと、その後一週間はこちらの指定の依頼を受けてもらう」


妥当なところだろう、悪い事をしたなら周りへ示しをつける為にも罰は必要だ。


気づいたら師匠はいつの間にかギルドのテーブルで本を読みながら果汁のジュースを飲んでいる。


「ん?もう終わったのかい?」

「終わりましたよ。弟子が襲われる話をしているのに興味無さすぎじゃないですか?」

「あはは、そんなもん私だって若い頃は数えるのも面倒なくらいあったからね。返り討ちにした数で競ったもんだよ」


楽しそうに笑ってはいるが八百も生きた師匠の若い頃っていつまでよ?

てか競ったと言ってもそんなもん誰と競うんだ

師匠の笑っている姿をジトッとした目で見ているとギルドマスターが声をかけてくる


「ゴホンっ、とりあえず昨日の話もしたいから奥の部屋に来てもらってもいいか?」


そのままギルドマスターについて行くと一番奥の部屋に案内され中には二人がけのソファがテーブル越しに向かい合うような形で置かれていた。


「お偉いさん方が来られた時用の来賓室だ」

「別に僕たちはそんな偉くはないですけど?」

「感謝を伝えるためにもこうやって小さいことでも誠意を見せているんだよ。」


なるほど、確かにギルドマスターからすれば俺と師匠は娘の命の恩人になるわけで見た目十二歳程の子供にもこれだけ丁寧に接するわけだ。


「とりあえず掛けてくれ、なにか飲み物はいるか?」

「私はオレンジのジュースを」

「俺はお茶で」


そう伝えるとギルドマスターは今まで通ってきた廊下に顔を出し俺たちの飲み物を誰かに頼む。


程なくして三人分の要望の飲み物が来た、ちなみにギルドマスターにもお茶だった。



「師匠ってもしかしなくても果汁のジュース好きですよね?」


考えてみれば街に来てから師匠がジュース以外を飲んでいる姿を見ていない。でも家ではいつも水かお茶だったような。


「街に来た時の楽しみみたいなものだよ、森の奥に行かないと果実のなる木はないしそこまでするのは面倒だからね」


確かに魔法の練習をする時に家の周りを軽く歩き回ったことはあるが実のなっている木は見たことがない。


「家の近くに種を蒔いたらなりませんかね?」

「それは考えたこともなかったな。帰ってやってみるか?」

「ですね、帰りになにか種を買って帰りましょう」


「それで俺も話をしてもいいだろうか?」


いい案だと俺と師匠が話していると痺れを切らしたようにギルドマスターが話を遮る。


「昨日の事件の顛末とあの転がってた二人の男を尋問した結果わかったことがあるんだが話してもいいか?」

「わかったわかった、聞くからそう怒るな」

「すいません」

「ったく、ギルドマスターになってこんなおざなりに扱われたのは初めてだ」


ギルドマスターはなにかブツブツ言っていたが続きを話し始める。


「まず昨日の事件の実行犯は教会にいた二人と森で爆発を起こしたやつが一人で全員だった。」


そう言えば森で爆発があって魔獣が迫ってきたって言ってたな。


「森で騒動を起こしたやつはそれ以前にも何度か魔獣を刺激するような行動をしていたみたいでな、そのせいで普段街に降りてこない魔獣も現れていたみたいだ」


たしかにベアコングという魔獣を売っていたおじさんもそんな感じのこと言ってた、まさかここでその話が繋がるとは


「で、そいつ含めて尋問を夜通ししたらあっさりと三人とも黒幕の正体を吐いた」


何となく先が読める展開になってきたな、師匠も退屈そうだ。


「なんと、その黒幕ってのが領主様の息子の一人ゲビタ様だったってんだ!」


どこかの名探偵のように犯人の名前を告げるがそれは知っているのでとくにとるリアクションは無い。


「しかも、これはついさっき入った情報なんだが話を聞きにゲビタ様が滞在してる屋敷に向かったらそこにはゲビタ様の遺体があったってんだ、それも首と体が離れた状態のな!」


もはやこっちが知ってることを知っててリアクションを試してるのではと疑いそうになるレベルでこれでもかと話してくる。


「そうなんですか、そのゲビタって男が誰にやられたのかは分かっているんですか?」

「いや、それに関しては全くだ。だが事件との関係性があったのは間違いないとなったためまだ捕まっていない犯人が口封じで殺したのではと考えている」


ほぼ正解と言ったところだろう、実際ゲビタを殺したのはあいつに術式を渡した『夜の一族』であり口封じなのはほぼ間違いない。


「あまり驚かないんだな?もしかして街では既に噂として出回っているのか?」


大したリアクションを取らない俺たちに疑問を持ったギルドマスターは勝手に自己解決してくれる。


助かった……

正直その辺を詰められたら下手なごまかししかできなさそうだ。


「あとお前さんたちには褒賞が出ている。領主様からと冒険者ギルドからだ。」

「領主様からも?」


息子が殺され他なら怒っているだろう。葬儀や捜査で忙しいんじゃないのか?


「あぁ、どうやら殺されたゲビタ様は罪人として葬儀は執り行わないらしい。事件の協同者がいるかもしれないってんで捜査は続けるらしいがな」


あくまで領主として公平に動くのか、あのゲビタという男と違って冷静なんだな。


「あー、それで言いずらいんだが領主様が礼を言いたいから一度いつでもいいから屋敷に来てくれとのことだ」

「え、領主邸にですか?」

「そうだ、無理強いはしないとのことだが出来れば行ってもらえるとうちとしては助かるんだが」


頼む!と頭を下げられるが困ったな、面倒事に巻き込まれる予感しかない。


「いいよ、あいつには聞きたいこともあったし丁度いい」


横から師匠が了承する。えーっと師匠の顔を見ると少し苦笑いされる。


「そんな面倒に思わなくても大丈夫だよ。あいつの事だ、ほんとにただ礼が言いたいだけなんだろ。万が一面倒なこと言ってきたらはっ倒せばいいよ」


領主を張っ倒したらそれこそ犯罪者の仲間入りだ、しかし師匠が行くと言った以上俺に拒否権は無い。


「すまない!そう言って貰えると助かる、娘を助けて貰ったってのにすまないな」


ギルドマスターにもそこまで言われたらもう俺に言えることは無い


「そう言えばエリは大丈夫なんですか?まだ目は覚まさないんですか?」

「あぁ、まだ目は覚まさないが呼吸は安定してるし大丈夫だ。ボックも死んだように寝ちゃいるが何ともなさそうだ。どっちかって言うと女房の方がエリとボックの姿を見て泣くわ騒ぐは俺に殴りかかってくるわで大変だった。」


言われてみればギルドマスターの顔は少し腫れている。よほど暴れたのがわかる。


「奥さんはエリの姿を見てその…大丈夫だったんですか?」

「あぁ、そのことなら平気だ。しばらくして落ち着いたあとは耳のふさふさを気に入って似たような頭飾りを作ってた」


なんか話を聞く限り奥さんちょっと変わってるな……

ギルドマスターも色々大変そうだ。

師匠も乾いた笑いを浮かべている。


「それからだな、おい入ってこい!」


ギルドマスターが急に扉に向かってそう叫ぶと扉が開き先程怒っていた受付嬢が入ってくる。


「こいつは受付嬢のカリンだ。分からないことがあったり依頼を受けたい時はこいつを通してくれれば融通きかせる」

「よろしくお願いします。カリンです」


そう言って俺たちに向かって会釈をするので俺達も「よろしくお願いします」と返す。


「申し訳ないがこいつにはあんたらのこと少し話させてもらった。一応こいつは俺の補佐もやらせて信用してるから大丈夫だ。」


俺たちの事というのは種族のことだろう、俺はいまいち種族がバレた時の弊害がわかってないので問題ないが師匠は少し厳しい顔をする。


「本当にその娘は問題ないんだろうね?」

「安心してくれ、娘を助けてくれたアンタらに仇で返すようなことはしない。俺の命をかけてもいい」

「御二方の秘密は必ず守ります。」


少しヒリついた空気が師匠とギルドマスター達の間を通るが二人の様子を見て師匠も緊張の糸を解す。


「それならいいよ、確かに知ってる人が一人いればコハクも依頼を受けやすいだろうしね」


きっとギルドマスターも俺がいちいち面倒にならないようこうなることを承知でしてくれたのだろう。


「コハクです、これからお世話になります。」

「はい、よろしくお願いします。強い方はいつでも大歓迎ですからね、ギルドで面倒事があればいつでも頼ってください」


これから俺が主にお世話になるだろうから改めて挨拶をして、受付嬢のかりんと握手をかわし話も大方終わったみたいなので部屋を出る。


するとまた冒険者ギルドの受付の当たりが騒がしい。

あの殴り飛ばされていた男が受付嬢に何やら文句を騒いでいる。


あぁ、あいつの件があったな……





今回も読んで頂きありがとうございます。

どんな評価、感想でも励みになりますので良ければお願いします。

次回も是非よろしくお願いします( ´ ▽ ` )

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