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神の怒り

「凄い年表詳しく書かれてるね。頭が混乱する。1番気になったのが、なんで母さんともう1人の古代種だけ、生き残ったの? 何か特別なバリアでも張った?」 


俺は1番気になることを、母に尋ねた。そんなに母は強かったのか? それとも別な要因なんだろうか?


「聞かれると思った。あまり気が進まないんだけど…話すね。復活の生き返りの呪文を研究したのは、私なの…私が復活の呪文を研究した張本人。神は私を孤独にさせたかったのよね。陰湿だと思わない?

罪人みたいに扱って。」


母フェミナが、心痛そうな表情で、胸内を吐露するように呟く。


優しい言葉に何かを感じさせた。それは、後悔の念と言うよりは、神への憤りが混じっていたのだろうか?


復活させたい人…その人は余程母にとって大切な人なんだろうと、俺はその人に興味が湧いた。


なるほど…聞いちゃまずい質問だった。俺はそれでも後戻りは出来ないと思って更に聞いた。


「あれ? 母さん2千年ぐらい生きてたって言ってなかった? 3000年前だよね? その神の怒り買ったのは? あともう1人の人も研究してた?」


俺は少し遠慮がちに言った。


「うん、私は怒りを買って、次元の狭間に落とされたの。それから1000年かけて脱出したと思ったら、今度は閉じ込められたの。1000年近く…その時間はノーカウントね。もう1人は普通にとんでもなく強いから残れたの。」 

 

サバを読んでる…とも言えないか。

次元の狭間からそんなに…きっと恐ろしい所だろう。

母が孤独なその場所で1人苦しんでる場面が目に浮かぶ。



「どうして生き返りの呪文を研究したの?」


ただの好奇心で研究したのか? それともやはり大切な人を復活させようとしたのか?


それは、前の恋人だろうか? 疑問が次々に浮かぶ。


「私ね子供の頃に人間の友達と仲良くて、その1番の親友が病気で亡くなって。死を受けいれたくなかったの。だから研究して良いところまで行ったのだけど、神の怒りを買って…だから私、魔法の修行がトラウマで、魔法が嫌いになったの。」


母が薄っすらと瞼を伏せて、神妙な表情で言う。大切な人の死を受け入れない。その想いが言葉に乗って、俺の心にずしりと重くのしかかる。



だから、修行が嫌いにたったのだと、俺はその話を聞いて納得した。


「そうなんだ。それで古代種は、2人になったんだ。なら何故人間も神は滅ぼそうとしたの?」


人間は今回の話には関係ない。母が古代種だから、その種族が神に目をつけられた。それだけのことなはず。


「それは、人間も復活の呪文を研究したからじゃない? そもそも私が先駆者なだけだし。そもそも復活の呪文なんかより、魔族作った息子の方が罪人だと思うの。」


首を横に振り、拳を握り体を震わせて、罪人なら、神もそうだろうと、いや神の方が悪と断罪しているのか。


魔族…それほど災いを呼び寄せるほどの悪なのだろう。



「人間も? でもいまだに開発されてないよね。魔族ってそんなに悪いやつなの?」


それほど恐ろしい存在なら、何をやってくるか恐ろしくて、額から汗が出てきて、それをすぐに手で拭った。


「人間ではまだまだ無理だね。私は回復魔法、神に封印されちゃったし。魔族の極悪非道は知れば知るほど、吐き気を催すわよ? 覚悟しといて。」


母が魔族への憎悪を目に宿らせた。それほど嫌悪するのか。母の体験なのか、それとも周りの人たちの、苦しみを伝えきいたのだろうか?


「そんなに例えば…誰か来た。」


ドアからノックする音が聞こえた。誰かな?


俺はドアを開いた。スビアの父だ。


「やぁ、私の娘をゴブリンから救ってくれてありがとう。君はこの村の英雄だ。早速パーティしようと思うんだ。是非参加して欲しい。もう準備は出来てる。」


スビアの父が捲し立てるようにペラペラと喋った。押しが強いな。断れませんね、これは。


「あら、良いじゃない。私も参加する。話し合い飽きてきた頃だからちょうど良いわ。」


…いや、息子との話飽きるなよ。


「飽きてきてたんですか?」


俺は少し愚痴るように言った。


「もっと軽い話題ならね。重い話し合いは、飽きると言うか、疲れるよね?」


俺は頷き、パーティに参加した。

次の章は力入れました。読んでください。

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